2012年に文部科学省が行った調査によると、全国の公立小中学校に通う約5万人のうち、発達障害の可能性があるとされた児童生徒は6.5%にのぼるといいます。

これは1クラスに2人程度は発達障害の傾向がある子がいるということになります。

我が子に発達障害の傾向がある場合、どのように子どもと向き合っていけばよいのでしょうか。

今回ご紹介する『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』の著者、大場美鈴さん(楽々かあさん)は、発達障害とグレーゾーンの3兄妹を育てる母親。

大場さんが作ったという発達障害の子供への『声かけ変換表』の紹介記事は14万件以上シェアされ、Facebookページの「いいね!」は17000人以上。現在も悩める親や先生のために育児情報を発信し続けています。

大場さんによると、発達障害の子どもを育てるお母さんは、なんとか発達の「凹の部分」を克服しようと頑張り過ぎている人も多いのだとか。

しかし、「このままではダメだ」と「フツー」を目指すより、まず「今が100点」と認めた上で、できる範囲で120点、130点と増やしていくことが大切だといいます。

今回は本書の中から、家庭で「生きる力」や「考える力」を伸ばすための工夫をご紹介します。

お手伝いに「全部」「ちゃんと」を求めるのはNG

発達に凸凹がある子どもの場合、将来進学や就職をしても生活スキルや自己管理がうまくできないことで、自立が難しくなるケースも多いといいます。そのため、料理や買い物など、身近なお手伝いを通して生きる力や考える力を育てていくとよいそうです。

ママも子どもも負担なくお手伝いをしてもらうコツは「ピンポイントで頼む」ということ。

たとえば料理をするときなら、「ちょっとお米を3回はかってくれる?」「ちょっとトウモロコシの服を脱がせてくれる?」など、「ちょっと」「これだけ」など部分的にお手伝いしてもらうとよいそうです。

「全部」を「ちゃんと」やろうとすると、なかなか達成感を味わえないかもしれませんが、簡単なことを部分的に頼むことで「できた!」を実感できます。そしてお手伝いができたら、「ありがとう」「助かるわ」などと伝えましょう。