―優輝選手のプライベート

M:今のマラソンランナーの中では割と筋肉質な体型ですが、食事はどういう感じですか。

母:
高校時代の合宿でかなり食べさせられたみたいで、胃が大きくなったのか、たくさん食べるようになりましたけど、家では特別大食いという感じではなく、人並みですね。

ただ、レース前とレース後はたくさん食べますね。レース前は蓄えようとしているのがたくさん食べますし、レース後は2~3kgほど体重も落ちるし、開放感からたくさん食べますね。

鴻輝:
レース後は恐ろしいほど食べますね。肉系やケーキをドカ食いしますね。4~5人前は軽く食べていると思いますよ。

M:お酒は飲むことありますか。

鴻輝:
基本的にはお酒は飲まないですけど、一区切りついたときとか半年に一回くらいは飲んでいますね。ちょっと飲むというかドカッと飲みます。それで、またしばらく飲まなくなります。

母:
毎週レースが入っているので、アルコールは飲まないようにしているみたいです。まぁ、そこまでお酒が好きというわけでもないようですけどね。

M:優輝選手のプライベートは「一人カラオケ」に行くという噂も聞きました。かなり高いキーの高い曲を歌うとか。

鮮輝:
X JAPANとかですね。あとはアニメソングとか。テンションが高い曲が多いようです。

鴻輝:
頻繁ではないですけど一人で6時間とか。

母:
時間があまりとれないですから、やるならとことんという感じですかね。

鴻輝:
「カラオケ店に行くとツイッターとかに書き込まれる」とか気にしているみたいで、メガネして帽子かぶって行っているみたいですね。

母:
最近は年に一回あるかどうかって感じですかね。

M:恋愛事情は。

川内家:
全くない!

鴻輝:
今は仕事とマラソンにどっぷりで、恋愛に興味がない感じですね。

鮮輝:
きっと、走ることを中心とした生活で充実していると思います。恋愛は必要ないと思っているかもしれませんね。

―ロンドン世界陸上の後は・・・


M:ロンドン世界陸上後の話もしたりしますか。

母:
生涯現役でしょうね。

鴻輝:
どのレベルを目指すかということは変わってくると思います。日本代表を目指すのではなく、ワールドマラソンメジャーズなどを目指すのかもしれません。

日本代表じゃなくても、常に2時間10分切りというのはこだわっていくと思います。兄は日本代表というものに、すごくプライドを持っていて、日本代表になった以上は絶対にいい結果を出さなきゃいけなないと強く思っています。

それを考えると、今後のドーハ世界陸上や東京五輪では代表になっちゃいけないと思っています。今回の世界陸上日本代表に決まったときに、おめでとうと伝えたら「全然、おめでとうじゃないよ。結果を出すまでが勝負だよ。ロンドン世界陸上で結果を出したらおめでとうだよ。」と言われました。

M:今回のロンドン世界陸上に相当な決意を持っているようですが。

鴻輝:
個人的にはそういう風に思いつめすぎているときには力を発揮できていないことが多いような気がするので、直前に何かトラブルがあった方がいいかなと(笑)そうすれば吹っ切れるので。

順調にトレーニングがつめたときに限って、レース当日、暑かったなんてこともあるかもしれないですし…。

結果を出さなきゃいけないという状況よりも、何かトラブルがあって、吹っ切れているときの方がいいパフォーマンスができるかなと。

母:
当日走ってみないと何が起こるか分からないから、何とも言えないですよね。

鮮輝:
兄もそろそろ殻を破りたいと思っていると思います。これまで、いい状況できて、その中で結果が出せないということに対して納得できていないと思います。

だからこそ、ロンドン世界陸上ではばっちり流れも作っていって、レースでも納得できる結果を出すということをテーマに持っていると思います。家族としても、もちろんいい流れの中で結果を出してほしいという気持ちです。

―家族のつながり


M:今後の川内家の皆さんの目標を教えて下さい。

鴻輝:
自分で起業しまして、久喜市を中心に活動していきます。久喜市をランニングの聖地にして、ランニングを通じて久喜市に貢献していきたいと思います。

兄は最初、起業することに反対したのですが、今はアドバイスをしてくれます。

鮮輝:
私は今年度からウルトラマラソンを中心にプロランナーとして活動しています。今年度は貧血などもあって、思うように取り組むことができなかったので、来年度はウルトラマラソンを4本走ろうと思います。

兄のサポートもしながら、練習パートナーにもなれたらと思っています。仕事を辞めて、走ることに専念させてもらえる家族には感謝しています。

環境がすごく恵まれています。やるしかないという気持ちですね。やるからにはウルトラマラソンの日本代表にはなりたいです。日本代表を目指していく過程で兄にもいい影響や、役に立てたらと思っています。

M:兄弟で走り回ることって子供の頃はあると思いますが、大人になっても走り回るとは・・・。しかも走り回る距離が長い。「一緒に50kmジョッグに行こう」っていう兄弟、他にいないですよね(笑)。

母:
それぞれがこの後どうなっていくか全く予想がつきません。みんなが若いときにしかやれないことがあると言いますから、自分のやりたいことをやるだけやって、悔いのないようにやってほしいと思います。

鴻輝:
それぞれ頑張っているとも言えますが、家庭崩壊しているのかもしれません(笑)。誰かしらレースに行っていて全員が揃うことってほとんどありませんからね。

M:走りを通じて、家族がつながっているということですね。今回はありがとうございました。

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1レース走れば様々なメディアで川内優輝選手の一挙手一投足が取り上げられる。日本代表の重みや責任を誰よりも感じているからこそ、今年のロンドン五輪が日本代表としての最後のレースと公言しているのであろう。

何かしら不安要素があった方が良いパフォーマンスができているという、これまでの傾向はあるかもしれない。しかし集大成というからには、万全な状態で臨んで最高のパフォーマンスを出してほしいと強く思う。

家族はきっと優輝選手が万全でも不安要素があっても、優輝選手を信じて応援する。

逆境に強いということ、今でも成長しているということを考えると、これから暑さに対しての苦手意識がなくなるということだってあるかもしれない。

常識を覆す。人は変わろうと思えば変われる。その後、何か起こるかもしれないという期待を持たずにはいられない。

まずは、この夏、ロンドン世界陸上での川内優輝選手の活躍に大いに期待したいです。

今年のかすみがうらマラソン(2017年4月16日開催)の「かすマラ大学」ではM高史さんと川内美加さん・鮮輝さん・鴻輝さんが講師を務めています。

1980年9月5日生まれ 長野県出身(明治大学卒)。世界選手権パリ大会20km競歩 日本代表、アジア選手権20km競歩 金メダル、日本インターカレッジ10000m競歩 2連覇、関東インターカレッジ10000m競歩 3連覇。アジアジュニア選手権10000m競歩 銅メダル、国民体育大会 少年男子共通5000m競歩 優勝。現在はNRC(西田ランニングくらぶ)にてランニングコーチ、明治大学体育会競走部 競歩コーチを務め、ジュニアから市民ランナー、トレイルランナー、シニア世代、アスリートまで幅広くランニング・ウォーキングの指導にあたる。