『王家』は、作品を作る全体としての“壁”もありますし、自分自身超えなきゃいけない“壁”もあります。

だから、初演は本当にしんどかったです。皆と一緒に作る作品として乗り越えなきゃいけない壁と、それ以前に自分自身が超えなきゃいけない壁があったから。

初めて帝国劇場に立つとか、グランドミュージカルに出るとか。どういうふうに皆に思われるんだろうとか、プレッシャーもあったから、本当にしんどくて。

でも、再演では初演ほどそれを感じていないから、心としてはそんなに辛くはないというか。そこを振り切ってしまおうと思える自分もいて。

でも、そう思える私を作ってくれたのは、やっぱりカンパニーの皆さんのおかげなんです。

“もう、かっこつけなくていいや”

って。そう思えているのはすごくいいことだなって思うんです。

ーー“かっこつけなくていい”って、いいですね。

でも、再演の稽古の最初の頃は、やっぱりかっこつけていた、そういう気持ちもあったんです。私はもともと“かっこつけしい”だから。恥をかきたくないし、人前で注意されるのもいやなんです。

でもこの間のお稽古で、かっこもつけずに皆の前で泣いちゃいました。しかも「できない〜〜っ! 」って、泣きました。

「“できないぃ〜〜”って泣くなんて子どもだよね」って、皆に言われたんですが(笑)

ーー以前だったら、人前で泣けなかった?

我慢したと思います。あと、「できない」なんて言わなかった。

涙は流しても、皆が見ているところで「できない」なんて言えなかったと思う。だって、皆からしたら「ちゃんとやれよ! 」って感じだと思うから。

お稽古で「こうして、ああして」って、言われていることは分かるんだけど、できないんです。その技術を持っていないから。でも、その技術を身につけてほしいから、言ってくれているんだと思うんです。それは分かるんです。

私のために言ってくれているのも分かるんだけど、今の私にはできなくて。自分を客観視できていないからか、言われていることは分かってもできないんです。

「で…きぃ…な…いぃ〜〜」

って、ボロボロ泣けてきて。皆に囲まれながら泣いてしまいました(汗)

ーー“どうすればいいの…?? ”って、混乱してしまう感じ?

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