大久保嘉人(FC東京) (C)J.LEAGUE PHOTOS 大久保嘉人(FC東京) (C)J.LEAGUE PHOTOS

FC東京はふたつの顔を持っている。いい意味ではない。悪い意味で、だ。

第7節・FC東京×浦和 チケット情報

『明治安田生命J1リーグ』第3節・ガンバ大阪戦で球際で負け0-3の完敗を喫したかと思えば、第4節では川崎フロンターレに終盤猛攻を浴びせ3-0。第5節・サガン鳥栖戦は両GKがミスを連発し、3-3の乱打戦に。前節はコンサドーレ札幌に開始早々に先制するも、その後主導権を握られ逆転負け。札幌のシュート20本に対し、FC東京は8本と1-2のスコア以上の完敗となったのだった。

開幕戦では王者・鹿島アントラーズのお株を奪う勝負強さを見せ1-0で勝点3を収めれば、第3節と第4節の間に行われた『JリーグYBCルヴァンカップ』グループステージ第1節・ベガルタ仙台戦では6-0の圧勝劇。FC東京はゲームによって、好不調の差が激し過ぎる。

一方、第7節で対戦する浦和レッズは、好調を維持している。第5節、MF柏木陽介の技あり先制点を含む3ゴールでヴィッセル神戸に今季初黒星をつけると、第6節はベガルタ仙台に問答無用の7-0。4月11日の『ACL』上海上港戦では、2本のPKを献上する苦しい展開ながら、ラファエル・シルバの先制点を守り切り1-0と勝ち切った。第5・6節は5ゴールで得点ランキングトップのシルバを欠いたが、神戸戦は柏木が2得点、仙台戦は前半だけで興梠慎三がハットトリックを達成。上海上港戦ではその興梠が出場停止ながら、前述の通りシルバが決勝弾を決めた。リーグ戦6試合で20得点、『ACL』でも4試合で12得点と爆発力を発揮するとともに、選手層の厚さを見せ付けているのだ。

文句なしの戦いぶりにも、指揮官は妥協をしない。首位を叩いた神戸戦後にペトロヴィッチ監督は「今日は勝ってよしではない。しっかりとした内容を持った上で勝たなければいけない」と不満を明らかにした。翌週には両ストッパーが高いラインを保ち、リスクを背負う自らのサッカーを貫き、7-0と完勝するのだから、恐れ入る。

果たして浦和と対峙した時、FC東京はどちらの顔を見せるのか。勇気を持って前からボールを奪いに行き、どんどん前へボールを運んでいく本来のスタイルか、アタック時にノッキングを起こし、攻撃が停滞する悪い流れか。前者であれば勝負になり、後者であれば浦和の猛攻にさらされることになるだろう。ただでさえリーグ戦の直接対決で7勝6分17敗とFC東京は負け越し、3年間勝ちなしと分が悪いのだから……。

『明治安田J1』第7節・FC東京×浦和は4月16日(日)・味の素スタジアム(東京都)にてキックオフ。チケット発売中。『明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ』決勝の再現となる浦和×鹿島アントラーズ(5月4日(木・祝)・埼玉スタジアム2002)のチケットは4月15日(土)午前10時より一般発売。