「木更津」や「池袋ウエストゲートパーク」の20年後が観てみたい

薄:それこそ「木更津キャッツアイ」の20年後があったらこんな感じかなって思うレベルで、普通に中年になってるんですよ(笑)。

佐原: 「木更津」わかる! 確かに私たち世代の『トレスポ』はクドカンのドラマなのかもしれない。

薄: 「木更津」や「池袋ウエストゲートパーク」の20年後も観てみたいよね。

あのバカやってるところに憧れたあの人たちが、20年経っても変わってねえんだろうなって思うけど、よりバカらしさを愛おしく感じられそうで。僕らの上の世代にとっての『トレスポ』と『トレスポ2』みたいになるんじゃないかな。

佐原: ユアンってイケメンでもあるし、美少年系にも振れられるし、身体を作ればそれなりにアクションも行けるし『ムーラン・ルージュ』では歌も歌うし、振れ幅が広いですよね。

私がユアン・マクレガーが一番カッコいいと思うのは『ミス・ポター』の編集者役なんですけど。

大林: 去年の『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』だとコメディリリーフみたいな記者役でしたね。ドン・チードルにどつかれるお間抜けキャラ。

薄: ユアンってもう万能ですよ。

佐原: スターって同じイメージをキープしようとするけれど、ユアンは役者って感じがする。

大林: だから20年間でいろんな役をやりまくったユアンがどんなレイトンを演じるのかには興味あります。

『T2 トレインスポッティング』公開中

佐原: でもシックボーイが剥げてきてるのはリアルだなー。あの金髪がカッコよかったのに、今回はハゲたままやってるんですよね(笑)。

薄: ロバート・カーライルもオッサン感が半端ない。もう50歳だから当然なんだけど。

佐原: でも『トレスポ』の無鉄砲さだったり、無計画さだったりを楽しめる感じは男性特有ですよ。たぶん女性が集まってもあんな風にはならない。一作目を観た時も、自分とは関係のない世界だから楽しめるみたいなところありましたもん。

薄: 女性はその時々の楽しさを引きずらないよね。30代なら30代、40代には40代の楽しさを見つけるというか。男の場合は昔をずっと引きずっちゃう。

佐原: ずっと週刊少年ジャンプとか読み続けられるのもソレですよね!(笑)。

小学生から読み始めて、40代になっても読んでる人いるじゃないですか。いつの時代も少年の輝きってこと?

後藤: 女の人って、ある時点から昔読んだ恋愛マンガとか物足らなくなりますよね。結局、男性はロマンティストってことなんですかね。

佐原: 女はもっとバサバサ切っていく。「セックス・アンド・ザ・シティ」なんかは長くやってる間に生活環境も変わるし、付き合う人も変わっていく。引きずるっていうのとは違いますよね。

薄: どんどん考え方も変わっていく感じ?

佐原: そうですね。今は今。あの頃に戻りたいとかはないですよ。だから『T2 トレインスポッティング』は今のユアン・マクレガーを愛でたい感じです。「男って20年経ってもバカだなあ」って思うんでしょうけど(笑)。

今も昔も変わらない驚異の存在感で走り続けるトム・クルーズのような大スターと、20年の歳月の重みをまるごとパッケージしてみせた『T2 トレインスポッティング』の面々。

方向性は真逆かも知れないが、いずれも昔も今も映画を観つづけているからこそ味わえる醍醐味だといえる。

できることならさらに今から20年後になっても、芸能ニュースではなく映画のスクリーンで彼らの活躍を目撃したいものである。