「今大魯肉飯」は上品な味付け、とろける脂身、色艶、ごはんの硬さなど、どれを取ってもハイスコア

台湾で食べ歩きをしていると気づくことがある。

いや、正確には台湾で食べ歩きをしながら撮った写真を、後から見直したときだ。台湾の食べ物って、なんて“茶色い”んだろう、と。

最近、台湾を訪れる若者たちが、カラフルな台湾スイーツをスマホで撮ってインスタグラムにあげるのが流行っているらしい。

だが、やはり台湾メシの多くが茶色い。台湾の庶民派ごはんは、ほぼ豚肉と醤油で成り立っているからだ。

台湾では茶色くて見栄えのしないごはんほど美味しい。その代表格が魯肉飯(ルーロウファン)をはじめとする豚肉丼だ。

ごはんに茶色い肉がのっているだけで、なぜこれほど美味しいのか? ミニ丼特集の前編では、さまざまなミニ豚肉丼を集めてみた。

■三元號(台北)

「三元號」の魯肉飯は脂身の少ないそぼろ風。中高年にとってはこれが基本の魯肉飯

昔ながらの魯肉飯を出す店のひとつといえるのが、寧夏夜市近くの南京西路の圓環(ロータリー)にある「三元號」だ。

魯肉飯には、さまざまなタイプがある。最近は脂身をたっぷり含んだこってり系が人気だが、かつては脂身の少ない豚ひき肉を煮込んで作るのが主流だった。

肉の塊ではなく、そぼろ肉のふりかけに近いイメージ。醤油で煮込まれたそぼろ肉を白いごはんにかけた小さな丼メシ。三元號の魯肉飯はとてもあっさりしていて、いくらでも食べられそう。

1世紀近い歴史を誇るだけあって、この店の魯肉飯こそおふくろの味、故郷の味と通いつめる客が多い。こってりした魯肉飯を食べる前に、まずはクラシックな魯肉飯とはどんなものか確かめてみるのも一興だろう。

三元號(サンユエンハオ)
台北市重慶北路二段9號、11號 TEL:02-25589685
営業時間:9:00~22:00 不定休

■今大魯肉飯(三重)

「今大魯肉飯」のサイドメニューはいずれも一手間かけて丁寧に味付けされている。特に排骨湯(スープ)は種類が充実

昔ながらのあっさり系魯肉飯の次は、台湾全土で魯肉飯を食べ歩いた私が暫定1位と認める今大魯肉飯だ。

魯肉飯にはひき肉を煮込むタイプと、大きな豚バラを煮込み、これを細切れにして作る魯肉飯の二種類に大きく分けられる。昨今人気なのは後者で、バラ肉の脂身が旨さの決め手だ。

脂っこくなりがちな豚バラ魯肉飯のなかで、見た目はこってりしていても脂身があっさりしていて食べやすいのが新北市三重区の「今大魯肉飯」。

台北郊外の三重区は、実は魯肉飯や豚足メシの激戦区。そんななかでも不動の人気を誇る今大魯肉飯はとにかく味付けが上品だ。

上質の豚の脂がたちまち舌の上でとろけて甘みが口の中に広がる。三重はまだまだ日本人旅行者が少ない土地だが、台北の中心地からMRTで15分ほどなので、ぜひ足を運んでみてほしい。

今大魯肉飯(ジンダールーロウファン)
新北市三重区大仁街40號 TEL:02−29836726
6:00~21:00 不定休

■一肥仔麺店(台北)

「一肥仔麺店」の豬油飯はシンプルだが、最強の豚丼。豚の脂だけでこれほどの旨味を出すとは驚き

ミニ丼といっても肉丼ばかりではない。豚肉の脂がかかっているだけの、シンプルなものもある。

私がこよなく愛する西台北の下町、艋舺(万華)。ここに3代目女将が切り盛りする穴場食堂がある。「一肥仔麺店」という店名は、女将さんがちょっと太めだった少女時代のあだ名「一肥仔」から付けられたとか。

麺店というものの、私のお気に入りは白いごはんにラードがさっとかかっただけの豬油飯(ズーヨウファン)。

典型的な台湾の家庭料理で、日本の卵かけご飯のような存在だ。ごはん嫌いな子どもでも、このラードかけご飯だけは喜んで食べる。熱々の炊きたてご飯にラードをとろりとかけて、少し醤油をたらしてかき混ぜる。

肉がのっていなくても、豚の脂が香る立派なミニ丼だ。

一肥仔麺店(イーフェイズミェンデェン)
台北市貴陽街二段230-1號 TEL:02-23880579
9:00~19:30 日曜休

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