将棋のネットワーク対戦ではプロも数多く参加しているサイト「将棋倶楽部24」が有名で、そこで成績優秀だったPonanzaという人工知能も将棋ウォーズに登場したり、弱い人が5手だけ人工知能に頼ったりできる。対局が終わると攻撃や防御、スピードや戦術などの項目ごとに評価点が出され、勝ちに応じて級が上がっていく。

画面上部には常に「○○さんが5連勝!」というようなリアルタイムの状況とか、「馬の守りは金銀三枚」って感じの「今日の格言」などの文字情報が自動で流れていて、ラウンジでウロウロしている感じがあって面白い。

ゲームは基本無料なんだけど、1日に遊べる回数が限られている。それでも将棋を何度もやるのって疲れるから、大体の人は無料でも十分遊べる。また、3段階の強さのコンピューターが相手になってくれる練習対局もあり、こちらは制限対局回数を消費することがない。

将棋のネットワーク対戦は、インターネットが流行りだした頃からずーっとあって、Yahoo!ゲームなんかでやってた人も多いと思うけど、とにかくうまい人が多い。コマの動かし方を知ってるぐらいでは全然勝てなくて、逆にそれぐらいのレベルの人は、すぐ失敗したりするので途中でやめたくなることが多い。

だけどこの10分制限がそれをうまいこと面倒じゃない感じにしてくれていて、初心者にはありがたい。「10分じゃろくに考えられないよ、こんなの将棋じゃない!」っていう人もいると思うし、確かに将棋ってそれぐらいしっかり考えてこそのものでもあると思う。

でもそれは既に「将棋倶楽部24」などで実現されているし、スマートフォンアプリではやっぱり短時間で、いつ終わるかわかっている方が昼休みとかには遊びやすい。実際そういう気軽さによって、大勢の人が常に遊んでいて対局相手に困らない状態になっているし、これをきっかけに将棋の楽しさが広まるということもあるだろう。

とにかく多様な将棋があっていいはずだし、僕は将棋ウォーズの雰囲気が結構好きだ。小学校の頃に将棋が流行ってて、休み時間にみんなやってた雰囲気を思い出す。休み時間は15分とかだから、とにかくみんな乱暴に、熟考なんて一度もせずにバチバチうってく。それでもなんとなく「角にもこういう使い方があるな」とか「銀がこんなに前に来たら相手は嫌がるだろうな」とか、適当に考えて工夫したりするのでちょっとはうまくなったりする。

将棋ウォーズでは、そこに定跡のサポートや戦術の評価みたいなものが加わるから、そんなに真剣にやらなくてもなんとなくちょっと上達したり、次試したくなることが出てきたりする。こういったライトユーザーの「疲れるほど考えたくないけど、せっかくだからちょっとだけ上達したい」がうまくフォローされている感じだ。