昨年12月に劇団四季の新作ミュージカルとして東京で開幕し、注目を集めている『ノートルダムの鐘』が、7月23日(日)より京都劇場で上演される。その成功祈願が京都・高台寺で行われ、主人公・カジモド役のひとり飯田達郎と、ヒロイン・エスメラルダ役のひとり岡村美南が参詣した。

劇団四季「ノートルダムの鐘」チケット情報

『ノートルダムの鐘』は、『レ・ミゼラブル』でも知られる文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作。このミュージカル版は、1996年にディズニーの長編アニメーションとして公開されたものをベースに作られ、2014年にアメリカで開幕した。物語の舞台は15世紀末のパリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形のカジモド、カジモドを世話する大聖堂大助祭フロロー、警備隊長フィーバスという男たちが登場。この3人の男と、彼らに愛されるジプシーの娘エスメラルダが織りなす、切なくも美しい愛の物語だ。

成功祈願のご祈祷を受けたのは、壁や天井一面に涅槃図が貼り巡らされた利生堂。思わずスッと背筋が伸びるような空間で、般若心経が唱えられる中、役者やスタッフが公演成功を祈念した。そして、カジモドが劇中で大聖堂の鐘楼に住み、鐘をつくことに絡めて、飯田が高台寺の鐘楼前で劇中ナンバー『陽ざしの中へ』を奉納。さらに岡村と共に高台寺の鐘をつき、美しい音を響かせた。

飯田が披露したナンバー『陽ざしの中へ』は、カジモドとして初めて歌う曲。外の世界と隔離され、塔の上から街を眺めて暮らすだけのカジモドが、外界への憧れを歌い上げる。「外の世界に憧れる彼の強い意志を表した曲で、物語の軸になる曲です。“たった一日だけ人と触れ合うことができたら”と、神様にお祈りするような気持ちで歌っています」と、曲への思いを語る。他にも劇中ではスティーヴン・シュワルツ作詞、アラン・メンケン作曲による数々の重厚な楽曲が展開される。

また岡村は「時代を選ばない普遍的なテーマがある」と、本作の魅力を語る。「今は不寛容な時代と言われていますが、この作品では他者をいかに受け入れるかということも描かれていると思います。だから、今の時代にこの作品を劇団四季で上演できることに意義を感じています。そして音楽やテーマは重厚ですが、演出はとてもシンプルで、お客様の想像力をかき立てるものになっていますので、関西のお客様にどう受け入れられるか、すごく楽しみにしています」。

6月25日(日)まで東京・四季劇場[秋]にて上演中。その後、7月23日(日)から9月28日(木)まで京都劇場にて上演。京都公演のチケットは4月22日(土)10:00より発売開始。一般発売に先駆け、4月21日(金)23:59まで、ぴあスペシャルシートS1席の先行先着プリセールを受付中。

取材・文:黒石悦子