舞台『PERSONA3 the Weird Masquerade』 (C)ATLUS (C)SEGA / P3 the WM Project 2016 舞台『PERSONA3 the Weird Masquerade』 (C)ATLUS (C)SEGA / P3 the WM Project 2016

舞台『PERSONA3 the Weird Masquerade』最終章「碧空の彼方へ」が4月19日に開幕。それに先がけ4月18日にプレビュー公演が行われた。

大人気ゲーム『ペルソナ3』を舞台化した『PERSONA3 the Weird Masquerade』シリーズの最終章である本作。2014年1月に上演された第1弾「青の覚醒」、同年9月の第2弾「群青の迷宮」、2015年6月の第3弾「蒼鉛の結晶」と続いてきた人気シリーズで、今回、4月14日に開幕した第4弾「藍の誓約」と最終章「碧空の彼方へ」を2作同時上演。クライマックスまで一気に駆け抜ける。

第4弾と最終章共に、蒼井翔太が主人公を演じる男性主人公ver.と、阿澄佳奈が主人公を演じる女性主人公ver.を上演。それぞれの物語が楽しめる。(本文、写真は最終章「碧空の彼方へ」男性主人公ver.)

1日と1日の狭間にある隠された時間“影時間”や異形の怪物“シャドウ”、それらに対抗できるペルソナの力に目覚めた若者たちの戦いを描いてきた舞台シリーズ。最終章である今作で遂に最大の敵との対峙が描かれ、登場人物それぞれがある誓いを胸に最後の戦いに臨む――。

原作の世界観を体現するような蒼井の美しい歌声で一気に物語に引き込まれた、男性主人公ver.。本シリーズ独特の世界観も、全員が第1弾から演じ続けてきたオリジナルキャストというメンバーの深い芝居はもちろん、細部までこだわられた衣装、印象的な映像の使い方、パフォーマーたちのマイムなどが繊細に表現し、観客をスッと引き入れてくれる。

今作では、蒼井演じる汐見朔也をはじめとする特別課外活動部(S.E.E.S.)が“影時間”を消す為に最後の戦いに向かう。壮絶な戦いの中で描かれた、大事な人に笑っていてほしいという願いや、折れそうなときに力をくれるものは何か、人を想う気持ち…。自分たちが生きる日常の中に潜むささやかでかけがえのないものを掘り起こして見せてくれたように感じた。また、ときにやさしく、ときにポップな劇中歌&ダンスも本シリーズを通しての魅力。ひとりひとりの想いをより鮮やかに描き出し、そこにある大切な時間を印象付けていく。

カーテンコールではこれまでの作品の劇中歌を披露。初演から変わらぬキャストで迎える最終章にふさわしい、シリーズの集大成を感じるあたたかな時間となっている。舞台『PERSONA3 the Weird Masquerade』第4弾「藍の誓約」 最終章「碧空の彼方へ」は、4月23日(日)まで東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて上演。

取材・文・写真:中川美穂