高校生のICTの活用に関する国際比較

["\n 日本の高校生は飛び抜けてPCに疎い。日本、米国、中国、韓国の普通高校に通う生徒約8000名を対象として実施した「高校生の勉強と生活に関する意識調査」で明らかになった。

国立青少年教育振興機構が2016年3月に発表した調査報告書によると、日本の高校生のPC利用状況は米・中・韓に比べ、調査した5項目中いずれも最下位。最も利用率が高かった文章ソフトの使用でも、日本はわずか20.8%。アメリカ(85.6%)、韓国(50.9%)、中国(36.4%)に比べ、大きく後れを取っている。プレゼンテーションソフトの利用は11.1%、簡単なプログラミングに至っては、わずか4.8%に過ぎなかった。

\n

生産型利用の魅力訴求で現状打開を

\n 技術者に限らず、あらゆる場面でPCの活用が不可欠な現代、この結果は見過ごせない。Webや動画の閲覧、ゲームなど、消費型の利用はある程度できても、生産型の利用ができないとなれば、情報の発信やものづくりができないことに等しい。「電子立国ニッポン」などと喧伝され、世界に冠たるハイテク国家を自認していたはずの日本。しかし、その中身は空疎なものだったのかもしれない。

\n 2020年から小学校でプログラミング教育が必修化される。教育改革への期待は大きいが、この成果を待っていては遅い。家電業界も、PCを使った生産的な行為は、楽しく有益だと実感してもらえるような取り組みを一段と進める必要がある。

\n(BCN チーフエグゼクティブアナリスト 道越一郎)