舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」が4月21日に開幕した。原作は、女性に大人気の恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」のスピンオフ作品で、舞台が現代の高校になった「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」。2015年にTVドラマ・舞台、2016年に劇場版が公開され、今作からキャストが新世代に。真面目な風紀委員・斎藤一とヒロイン・雪村千鶴の恋を描く『ROUTE 斎藤一』を完全新作ストーリーで上演する。斎藤一役の宮城紘大、土方歳三役の山田ジェームス武、沖田総司役の中尾拳也に話を聞いた。
舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」チケット情報
各キャラクターに想いを寄せられるヒロインが、そのうちのひとりとの恋を進める(=ルート)原作ゲーム。今回上演される斎藤一ルートの魅力は「真面目な斎藤一と純粋でピュアな雪村千鶴の初々しい恋愛。お客さんは“なんでそこでいかないの!”ってなると思う」(宮城)という、中尾曰く“ムズキュン”の恋。その恋を舞台でみせるには「自分がちゃんとドキドキして、お客さんに伝染させることが大事」と宮城は話す。
ふたりの恋を横恋慕などで盛り上げるのが山田演じる土方や中尾演じる沖田。山田は「僕ら周りは雪村千鶴のいろんな表情を引き出す役回り。それにこの作品は、葛藤してすれ違ってっていう弊害が多いほど楽しくなると思うので、今回の千鶴はもしかしてこっちいっちゃうんじゃないかってくらい見せつけながら、最後は斎藤一にバトンを回せれば」と語る。
トキメキを引き出す芝居には奮闘中だそうで、中尾は「(恋愛シーンも)ちゃんと素直にその場にいられるようにしなきゃって思うのですが、まだ難しいですね。沖田だったら照れずにいく部分でも僕はつい照れてしまったりして。でもまず僕たちが青春しないとお客さんも青春できないので。みんなで青春してつくっていけたらいい作品になると思います」。
新撰組が現代の高校生になって恋をするのが本作の面白さ。「演じるにあたって、現代の恋愛だけども“幕末の新撰組の人間が持つ意志”が映し出されるような部分は作りたいなと思っています。そういう熱さが見え隠れする作品にしたいですね」(山田)。
本作は、宮城にとって初座長作品。宮城は「みんなより絶対一番がんばらなきゃとは思ってるんですけど、まだ自分のことで精いっぱいで全然気がまわってなくて…」と言うが、中尾は「久しぶりの共演ですけど、すごくやりやすいです。賑やかですよ、稽古場も」、山田は「座長が笑ってくれてるから、みんなが陽気でいられる部分はあるんじゃないかな」と様子を語る。そんな明るい稽古場から生まれるトキメキシーンの数々に期待したい。
公演は4月30日(日)まで、東京・シアターサンモールにて。
取材・文:中川實穗