真っ赤に燃えた韓国のチャムポンも4000~5000ウォン程度。色の印象通りの辛さ。辛いものが苦手な人は避けたほうが無難かも

日本で外食の麺といえば、まずはラーメン、そして、そば、うどんが一般的だろう。一方、韓国では冷麺の存在が抜きん出ているが、それ以外の麺料理も多彩で、しかも日本からの旅行者の口に合うものが多い。

今回は韓国でよく食べられている人気の麺を5つ紹介しよう。

フォトギャラリーさっぱり~辛いものまで!魅惑の韓国麺フォトギャラリー
  •  「乙支麵屋」は乙支路3街駅5番から地上に出て、そのまま歩道を数メートル進んだ右手
  • チャジャンミョンは4000~5000ウォン程度。写真はカラメルソースから麺を引っ張り出したところ。これから麺とソースをぐっちゃぐちゃにかき混ぜる
  • チャンチククスを出す店が多い楽園商街ビルの地下市場は、地下とはいっても怪しい場所ではない。中高年を中心とした庶民の憩いの場だ
  • 中華料理店で出前したチャムジャミョン(チャジャンミョンとチャムポンのハーフ&ハーフ)
  • 楽園商街ビル、地下市場のチャンチククス。2000ウォンでもボリュームたっぷり

 

冷麺

「乙支麺屋」のムル冷麺は10000ウォン。スタンダードな美味しさ

この十数年で、東京の新大久保をはじめとする日本のコリアンタウンではかなり本格的な韓国料理が食べられるようになっているが、本場でないとなかなか優れたものに出合えないのが冷麺だ。

南北が分断される前の北朝鮮、平壌発祥のムル冷麺(スープのある冷麺)は、まずスープを飲むと、あまりの淡白さに驚くだろう。しかし、食通揃いの日本のみなさんなら、その淡白さの中に牛肉や豚肉、鶏肉などからとった上品な旨味が隠れていることに気づくはず。

そして、麺は日本の焼き肉店にあるゴムのような麺とはまったく別物。ステンレスの箸でつまんですすると、ふわっとそばが香る。筆者は日本の食通を冷麺店に連れて行くことが多いのだが、「この麺は日本そばのつけ汁で食べてみたい」という人が少なくない。

ソウルの旧市街には、朝鮮戦争が起きた1950年頃、北部から避難してきた人たちが始めた冷麺専門店がいくつかある。

日本人旅行者が行きやすいのは、明洞の最寄り駅「乙支路入口(ウルチロイック)」駅から一駅行った「乙支路3街(ウルチロサムガ)」駅5番出口近くの「乙支麺屋(ウルチミョノク)」、そして、「忠武路(チュンムロ)」駅1番出口から徒歩5分の「筆洞麺屋(ピルドンミョノク)」、さらに、「東大門歴史文化公園(トンデムンヨクサムナコンウォン)」駅5番出口近くの「平壌麺屋(ピョンヤンミョノク)」などだ。

 

乙支麺屋
中区笠井洞161 TEL:02-2266-7052
11:00~21:00 第1、第2、第3日曜休

カルククス(韓国式うどん)

鍾路3街の路地裏にある専門店のカルククスは6000ウォン前後。カルククスやソルロンタン(牛肉や牛コツのスープ)のような辛くない食べものには、アクセントとして辛いキムチがつきもの。店もキムチには神経をつかっているので、ぜひ味わってみてほしい

カルククスとは、カル(包丁)で小麦粉を練ったものを切って、麺(ククス)にすることからこう呼ばれる。

スープは牛肉や煮干しでダシをとった日本でいう関西風。韓国で辛い食べものが続いたり、食べ過ぎたりして胃腸が疲れてしまったときにおすすめだ。

具はアサリやカラス貝がたっぷり入っている。麺はコシがあるので、日本の讃岐うどんが好きな人の口にも合うはず。麺の量が多いので、2人で食べるならカルククスとマンドゥ(蒸し餃子)をひとつずつ頼んでシェアしたほうがあきずに楽しめるだろう。

5号線「鍾路3街(チョンノサムガ)」駅6番出口の北側の路地には専門店が3、4軒集まっているので、賑わっている店に入るといい。

チャンチククス(韓国式素麺)

楽園商街ビル、地下市場のチャンチククス。2000ウォンでもボリュームたっぷり

日本の素麺に近い細麺に、関西風のあたたかいスープをかけたもの。具は海苔、ネギ、ズッキーニ、ニンジンなど。

忙しいときや小腹がすいたとき、日本の立ち食いそばのようにサッと食べるもの。チャンチとは宴会のことで、韓国では結婚披露宴の〆に出されることが多い。

粉食(プンシッ/粉もの中心の軽食店)やバスターミナル前の屋台などでは4000~5000ウォンするが、仁寺洞(インサドン)の東側に隣接する楽園商街ビル地下にある市場なら、たったの2000ウォンで食べられる。