©真島ヒロ・講談社/劇場版フェアリーテイルDC製作委員会

『週刊少年マガジン』の看板作品として愛され、今年連載10周年を迎える『FAIRY TAIL』。累計発行部数6,000万部以上の大ヒットコミックで、近年では日本国内のみならず、世界中で多くのファンに支持されています。

そんな『FAIRY TAIL』原作者の真島ヒロ先生自らネーム約200ページを描き下ろした新作映画『劇場版FAIRY TAIL –DRAGON CRY-』が、5月6日(土)より日本で公開。各地の劇場で満席が続出するなどヒットを飛ばしています。

さらに今月中にアメリカ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、中南米9ヶ国、タイ、フランスといった全世界16ヶ国でも同時公開となります。

今回は真島ヒロ先生にインタビューを敢行。映画について、原作漫画について、たっぷりとお話を伺いました。

ネームの絵を見られるのは、ちょっと恥ずかしい(笑)

―― 待望の劇場作品第2弾『劇場版 FAIRY TAIL -DRAGON CRY-』ですが、どのくらいのタイミングでこの映画の企画はスタートしたのでしょうか。

真島ヒロ先生

真島:前作『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』(2012)が終わった時点で「次もやりたいね」という話が出ていて、僕もやりたいと思っていました。でもそこから結構時間が経ってしまったので、当時考えていた構想はもう使えなくなってしまったんですね。連載もどんどん進んでいますし、今さらこれをやってもしょうがないな、というわけで、今回のお話は改めて作りました。

―― 本作は真島先生ご本人が約200ページにわたる“ネーム”を描き下ろした点も話題ですが、どんなきっかけがあったのでしょうか。

©真島ヒロ・講談社/劇場版フェアリーテイルDC製作委員会

真島:実は執筆依頼が来て、描いただけなんですよ(笑)。その頃、連載が佳境に入る頃でしたので、そちらの構想を練るのに必死で。最初は自分がやるつもりは無かったんですけど、誰かが動き出さないとはじまらないなと思ったので。

やるからにはしっかり全力でやりたいので、描き下ろさせていただきました。入場特典を手にした皆さんは「あっさりしてるな」と思うかもしれないですが(笑)。

―― 以前、DVDの特典に先生が描かれたアニメの絵コンテがついたことがありますが、絵コンテを描いた経験が今回のネームに活きた、ということはありますか?

真島:絵コンテの方がずっと大変ですね! ネームは、映画を作るというよりも半分はいつもの漫画を書いている感覚なので。大体200ページくらいの作品を書けば、90分くらいの作品になるのではないかなという感じで。

絵コンテはゼロから描くとなると、アニメの専門用語から学ばないといけませんし、テレビのドキュメンタリーでやっていたアニメ制作の現場の様子を参考にしながら、カット毎に時間を計りながら作ったので。

―― こんな素敵な特典がもらえるなんてファンの方はとても嬉しいと思います!

真島:喜んでくれると嬉しいんですけどね! 自分の中ではネームの絵を見られるっていうのはちょっと恥ずかしかったりします(笑)。

映画の物語作りは、新人賞に応募する作品の作り方と似ている

―― 現在、真島先生は週刊連載も絶賛進行中ですが、漫画のお話と映画のお話を同時に進めるのは頭の中がこんがらがったりしませんか?

真島:こんがらがりますよ(笑)。映画のネームを描いたのも結構前なので、その間に連載が進んできて、奇しくも映画と連載の佳境がちょうど同じくらいに公開になるという。本当はもう少しだけ映画が先の方が良かったかもしれませんが。

―― 連載と劇場版のお話の組み立て方はそれぞれ全然違うのでしょうね。

真島:全然違いますね。漫画は、特に僕が連載している週刊だと「(ストーリー内容に)困ったら来週に回せばいいや」「来週の自分に賭けよう」としてしまえる部分があるのですが、さすがに映画だとそうはいかないので。最初から最後まできっちり作らないといけないですからね。

短い中で“起承転結”をしっかり組み立てるという部分は、新人賞に応募する作品の作り方と似ていて、その頃を少し思い出しました。