『ダークナイト ライジング』 (C)Warner Bros. Ent. All rights reserved

クリストファー・ノーラン監督の最新作『ダークナイトライジング』が28日(土)から日本公開を迎える。長らくその内容がヴェールに包まれてきた本作だが、このほどノーラン監督のコメントが到着した。

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本作は『バットマン ビギンズ』、『ダークナイト』に続く3部作の最終章。前2作に続いてクリスチャン・ベールが主演を務め、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマンらが続投。さらにアン・ハサウェイ、トム・ハーディ、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィットらが新キャストとして参加する。

欲望が渦巻く街ゴッサムで自らの正義を貫くために、ありとあらゆる犠牲を払って孤独な戦いを続ける男ブルース・ウェイン。これまで様々なクリエイター、映画監督たちが彼を描いてきたが、ノーラン監督は「ブルース・ウェインというキャラクターの魅力は、“巨額の富”以外に彼が何も超人的なパワーを持たないという点だ。だから、生身の人間として彼にアプローチでき、彼を通して僕らが生きている世界を見ることができる」と分析する。だからこそノーラン監督は、ウェインや登場人物たちが抱える感情の起伏を、目もくらむようなアクションシーンと同じレベルで描きこんできた。「この映画で描かれる感情はとても激しく、誇張されている。日常的なストーリーには応用できないようなものなので、将来、私は恋しく思うだろうね。この映画のキャラクターたちだったからこそ、描くことができたものであり、それは大きな喜びだった」。

そんなノーラン監督が描く最後のブルース・ウェインの物語が『ダークナイト ライジング』だ。前作『ダークナイト』でウェインは街を救うことと引き換えに愛する女性を失い、街の守護者としてのアイデンティティも喪失した。新作はそこから8年後の物語になる。「僕たちがこだわったのは、前作の結末がゴッサムに影響をもたらすことであり、実際にそうなっている。表面的には、ゴッサムはずっと安全な街になっているんだ」。

ジョーカーの危機は去り、ウェインも姿を消し、街に平和が訪れた。しかし、ノーラン監督は新作を完成させた。“新たな脅威”を描くためではなく、ウェインが姿を消し、ゴッサムが平和になったという“結末が招いた事態”を描くためだ。「この映画は、様々な“行動の結果”を出発点にしている。この映画は影響の重大性を描いたものであり、贖罪を描いたものであり、じつに多くのことを描いている」と語るノーラン監督。最終章は、単純な新作や続編ではなく、壮大な3部作に幕を引くための物語になっているようだ。

『ダークナイト ライジング』
7月28日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー