「まず10年は続けられるバンドでいよう」という目標があった

ーーDaizyStripperはこの2年間、10thアニバーサリーを掲げての活動を行っています。

風弥:僕たちは10周年プロジェクトを9年目からやってるんですけど。まあ、濃厚ですよね。1年間じゃやりたいことをやりきれない(笑)。DaizyStripperは結成当初から「まず10年は続けられるバンドでいよう」という目標があって、10という数字に重きをおいていました。だからアニバーサリーは盛大にやりたかった。

ーーなるほど。

風弥:10年バンドが続くというのも簡単なことではないと思うし。「10年続く」というのはメンバーの仲や音楽性もあるけど、10年という歳月を支えてくれるファンがいないと成り立たないものじゃないですか。いくらバンドが存在していても、支えてくれる人たちがいないと活動もできないですし。だから感謝ですね。

ーー一時期まゆさんが活動を休止をされていましたが、そこから復帰できたのも、待ってくれる人がいたからということですね。

風弥:そうですね、4人になったときもあったんですけど。そのときも変わらず支えてくれる人もいて、まゆが帰ってきたとき「おかえり」と言ってくれた人がいたから、DaizyStripperもまた5人に戻れたし、10年をこの5人で迎えることができたんじゃないかな。

極薄の衣装を着て朝5時に太平洋にさらされるという(笑)

ーーこの10年間で思い出深い出来事ってありますか?

風弥:常に最初から10年目までずっと同じくらいの濃い密度で活動してきたんですけど……。

そうですね、すごくハッキリおぼえているのは『ダンデライオン』のMV撮影のときかな。

その時点でメンバー全員まだ誰もMVというものを撮ったことがなくて。いきなり千葉の屏風ヶ浦というところにいって。真冬に。皆で半袖だったりヘソ出しだったりの極薄の衣装を着て朝5時に太平洋にさらされるという(笑)。「MV撮影ってこんなに過酷なんだ」って思った記憶があります。ドラムも崖から1メートル手前くらいのところで、俺落ちて死ぬんじゃないかってくらい(笑)。

ほかにも5年目の渋谷公会堂のライブのことはすごく覚えていますね。バンドにとってその時の最大キャパだったし、渋谷公会堂というのは憧れの地だったし、5周年という節目であの会場でライブが出来たのは幸せでした。

ーー10年前と現在を比べて、取り巻く環境の変化を感じたりはしますか?

風弥:DaizyStripperは幸いなことに、あんまり変わってないんですよね。それこそ若い後輩たちからは最近のライブハウス事情が厳しかったりとかは聞くんですけど。

自分たちとして結成当初と今の感じっていい意味でそんなに変化はなくて。だから続いているというのはあると思うんですけど。幸い、デイジーは悪い意味での環境の変化がないから持続できたのはあるかもしれません。

それに、毎回毎年活動の内容が濃いんですよね。充実しているというのはあって。ネガティブなことを考える隙間もないというか、ただガムシャラに突っ走ってたら10年経ってました。その中で幸せな景色をたくさん見てきたし、悔しい思いやつらいこともあったけど、毎日が怒涛の日々というか。それが今考えると良かったのかもしれない。