デジタルシネマの祭典が開催! 日本の新鋭監督が飛躍を誓う

2012.7.12 15:1配信
浅沼直也監督

現在では主流となった、デジタルで撮影・制作された映像作品にいち早く焦点を当てた「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」の開催が14日に迫った。新たな映像作家を見い出すメイン・プログラムの長編コンペティション部門には、将来が嘱望される世界各国の新進監督の12作品がスタンバイ。日本人監督は3名が名を連ね、今回各人が取材に応じてくれた。

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『Heart Beat』でノミネートされた浅沼直也監督は、弱冠19歳で脚本家デビューを果たしている20代の新鋭。バスケットボール部に所属する幼なじみの男女3人が体感する青春の光と影を瑞々しく描き出した本作は、今年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でも話題を呼んだ。中でも作品のクライマックスとなるバスケットのゲームシーンは「役者に3ヶ月間の特訓を課して挑んだ」とのこと。また、今後については「今回もそうですが、人間だからこそ感じる心の痛みや、そのときに抱く感情の揺れを描いた作品を作っていきたい」と語る。

一方、『月の下まで』を手掛けた奥村盛人監督は新聞記者から転じた異色の経歴の持ち主だ。作品は「郷里の岡山と同じぐらい愛着のある第2の故郷」と監督が語る高知の港町を舞台に、漁師の父親と知的障害を持つ息子が互いの信頼を取り戻すまでを描出。東京を基準にしない監督のある意味、地方に根ざした独自の視点が印象深い。「逆境に負けない人間の強さと逞しさを描くと同時に、土佐の風土や伝統、町の人々の気概までも伝えたかった。世界の作品が揃う中、地方の小さな町を舞台にした自分の作品がどう受けとめられるのか楽しみ」と先を見据える。

また、『チチを撮りに』を作り上げた中野量太監督は、過去に発表した短編作品で数々の賞を獲得している実力派。「母子家庭で育ったからかも」と本人が語るように、家族をテーマにした悲喜劇を作り続けている。実力派女優、渡辺真起子を主演に迎えた本作も同様。元夫の死に直面した母とその娘2人の心の軌跡がユーモラスに綴られる。「目指すは、喜びと悲しみが表裏一体となった本当の意味での“笑い”が存在する重喜劇。一生懸命生きる人間の持つ愛しさや切なさ、輝きを描きたい」と意気込む。

今年はミヒャエル・ハネケに師事した監督など外国勢も多士済々。その中で、彼ら国内組がどんな結果を出すのか注目したい。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012

取材・文・写真:水上賢治

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