内村航平 内村航平

4月『全日本個人総合選手権』10連覇を達成した内村航平が、『NHK杯』9連覇に挑む。2位・田中佑典にわずか0.050点差でV10を果たした時は「勝ってしまったので、期待に応え続けないといけない。勝ってしまったので地獄。負けた方が楽だったんじゃないか」と振り返った内村が、5月19日『第56回 NHK杯体操』前日会見で意気込みを語った。

第56回 NHK杯体操 チケット情報

内村は「『全日本』の時もそうだが、特に結果は意識したことがないので、しっかり自分の演技をしたい」とキッパリ。『全日本個人総合選手権』から平行棒の難度を下げた演技構成で『NHK杯』に臨む。その心は「平行棒は5種目目なので、ミスをしないように、難度を下げた。難度を下げてたことによって、全体の安定感だったり、着地の余裕を見てほしい」とのこと。

6種目それぞれのこだわりのポイントも明かした。

「ゆかは着地の精度プラス技ではない部分を丁寧にやるところ。あん馬はとにかく落下しない。つり輪は僕の中で点数の残る種目ではないので、うまくごまかす(笑)。跳馬は着地を決める、もしくは一歩で抑える。平行棒は倒立の止めをしっかりやるところ。鉄棒は自分の持ち味の離れ技の高さ。あと着地を止めにいくところ。どれも出場するみんなが意識するところだが、その中で自分らしさを出していければ」

内村らしい体操とは「美しい体操」である。内村はその美しい体操を独特の言葉で表した。

「キレのある演技の中にある美しさは僕にしか出せない。田中はしなやかな動きの中での美しさ。白井(健三)はまた別の種類の美しさがある。人それぞれの美しさの違いを見てもらえればうれしい」

今回は9連覇とともに、個人総合40連勝がかかっている。だが、内村は「(自身が達成した)『世界選手権』6連覇とかならわかるが、何十連勝とかは興味がない」とバッサリ。「試合は毎回苦しい。今回も間違いなく苦しい戦いになる。苦しい戦いの中、いい演技ができた時にちょっとだけ楽になる。そこにすがりながら、粘っていきたい。それができれば、(『世界選手権』の)代表になれる。他の選手を気にせず、自分のことだけ考えてやりたい」と続けた。

『第56回 NHK杯体操』は5月20日(土)・21日(日)・東京体育館にて開催。20日(土)は女子競技、21日(日)は男子競技が行われる。チケット発売中。

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