せんべいがカレーになった(無印7話)

無印『のんのんびより』で、最も笑えた回を挙げるとなると、これは大きく票が分かれるかと思いますが、筆者としてはこの第7話をオススメさせていただきます。

教室内での暇つぶしやウサギ小屋での一騒動、そして、れんげと駄菓子屋とのやり取りなど、各パートでの笑いのボルテージがとても高く、更に、れんげの天才的な感性が生み出すちょっぴりシュールなギャグも相まって、大いに笑えるエピソードとなっています。

中でも、中盤の「ウサギ小屋に行く途中でテンションが上がり過ぎて、唐突に路上にダイヴするれんげ」のシーンは、観る度に爆笑してしまいます。あずまきよひこ先生の人気漫画『よつばと!』もそうなのですが、こういう子どもならではの突拍子のない行動や発想を描くのが上手いフィクション作品には、いつも笑いのツボを押されてしまうのです。

ふとしたアクシデントからウサギ小屋に閉じ込められてしまう蛍の、。普段の言動からは想像もできないテンパり具合も笑えるポイントです!

ちなみに、第2話の小毬と蛍のすれ違いコメディと同じく、このウサギ小屋のシーンも、もしも各キャラクターが携帯電話を持っていたら決して成立しないシチュエーションでしょう。

『のんのんびより』の舞台である村は、電波状況が極端に悪い為に、全くと言っていい程、携帯電話が使えないという設定。そんな田舎だからこそ描くことができるシーンであり、本作ならではのコメディであるといえます。

初日の出を見た(無印10話)

この第10話も、とても情緒的な回で、無印『のんのんびより』の中でも印象深い話数です。

初日の出を拝む為に家を出る、れんげ、ひかげ、一穂の宮内家三姉妹と駄菓子屋。その道中で、改めてれんげの成長した姿を目にした駄菓子屋は、彼女がまだ赤ん坊だった頃を思い出し……。

駄菓子屋の回想シーンが大部分を占めるエピソードで、彼女がれんげに特別に目をかけ、そして、れんげも駄菓子屋に懐いている、そんな二人の関係性のルーツが明かされる回となっています。

『のんのんびより』は、キャラクター同士の関係性や掛け合いも大きな魅力ですが、この駄菓子屋とれんげのカップリングは、ファンからの人気も高く、二人の姿を描いたオフィシャルグッズもリリースされました。

れんげと駄菓子屋の主役回というと、続く『りぴーと』の第10話「すごく練習した」も決して忘れられない名エピソードの一つ。れんげの奇抜な言動にツッコミを入れつつも、その姿を優しく見守り続ける駄菓子屋の姿が何とも良いんですよね。

駄菓子屋とは反対に、徹頭徹尾、そのダメダメさでギャグ要員に徹する一穂の献身っぷりにも要注目です!