左から、飛鳥凛、上野なつひ、加藤拓也 左から、飛鳥凛、上野なつひ、加藤拓也

西原理恵子の同名漫画が原作の、劇団た組。第14回公演『パーマネント野ばら』が6月14日(水)から上演される。

劇団た組。『パーマネント野ばら』チケット情報

ある田舎で女のたまり場と化した美容院「パーマネント野ばら」を舞台に “愛すべき女性の強さとずるさ”を描く本作。主人公・なおこを演じる上野なつひ、なおこの同級生・ともちゃんを演じる飛鳥凛、脚本・演出を手掛ける劇団た組。代表の加藤拓也に話を聞いた。

加藤にとって「長い間やりたいと思っていて、ようやく実現した」という作品。「すごくずるいし、すごくいやしい…でもそれを嫌いになれない。そこに女性という性に対しての愛が詰まっている、西原さんらしい作品だと思います」。その主演を務める上野は「ファンの多い作品ですしプレッシャーも大きいんですけど、自分も好きな作品に出られることが嬉しいです。実は一番狂ってる女・なおこを素敵に健気に演じられたら」と意気込む。

劇団た組。の公演を『まゆをひそめて、僕を笑って』『楽屋』と観てきた飛鳥は「加藤さんの舞台の登場人物は魅力的な人ばかりで、一人ひとりに引き込まれる。私も本番ではそういう女の子に見られるのだろうなと思って。あんなふうになれるのは、どんな稽古なんだろうなって」と期待を語る。

ふたりにオファーした理由を聞くと「僕はお芝居を作るうえで、“普段どうしているのか”ということを大事にしていて。(芝居で選ぶのではなく)話をさせていただいて人柄とかで(役と)雰囲気がピッタリやなって方にお願いしています」(加藤)。数えきれないほど俳優と会い「一番なおこにピッタリだった」という上野は「なおことは似てる部分が多い。劇中の『何もないのに愛されたい』という台詞が好きなんですけど、私も同じことを思っていて。周りの人は何もないなんて思ってないし、何かはあるんだけど、自分自身が何もないと思ってしまっている。その弱さと欲張りさが似てると思いました」。飛鳥は「ともちゃんと自分はかけ離れた雰囲気。女性ってこうも激しいものなんだなと思いました。すごく魅力がある人なので、愛して演じていきたいです」。それに対して加藤は「稽古場でやるのは『この感情になろう』じゃなくて『この感情はどうやって生まれてくるんだろう』という作業。だから(俳優と役が)離れてるとかは気にしないんです。大事なのは雰囲気」と話す。

「実は先日、西原先生にお会いしたんです」と上野。「先生も『好きな作品なので舞台化されて嬉しい』とおっしゃってましたし、頑張らなきゃな」と笑顔で語った。

公演は6月14日(水)から18日(日)まで東京・浅草九劇にて。

取材・文:中川實穗

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