夫婦役を演じた蒼井優(左)と妻夫木聡

 映画『家族はつらいよ2』の公開初日舞台あいさつが27日、東京都内で行われ、出演者の橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、中村鷹之資、徳永ゆうき、山田洋次監督が登壇した。

 本作は、熟年離婚を巡る家族の騒動を描いた山田監督の喜劇映画『家族はつらいよ』(2016年)の続編。

 この日は“ご縁を感じたこと”についてのトークが展開された。本作で蒼井と夫婦役を演じた妻夫木は「縁というと、僕は優ちゃんと結構恋人同士の役が多くて、結婚も今回で2回目なんです」と明かし、「けんかのシーンとかはいっぱいあるけど今のところ離婚はしていません」と言葉を続けて笑顔を見せた。

 さらに妻夫木は「これだけ恋人役をやっているにもかかわらず1回もキスシーンがない。不思議な関係だなって思う」と語り、本シリーズでも「山田監督が最初台本に書かれていたキスシーンが、現場に行ったら(直前で)カットになっていた。(そんな)未遂的なことはあったのですが…」と明かして苦笑いを浮かべた。

 司会者から「今後(パート3)にそういう展開もあるかもしれませんね?」と期待交じりに尋ねられた山田監督は「もう夫婦になっちゃったらそんなことしないんじゃない?」とあっさり返して会場の笑いを誘った。

 一方、蒼井も「妻夫木くんとすごく(恋人役が)多いなって思っていました」としたが、あえて別の話を披露した。「まだ10代の時に、山田監督の『学校』という映画のオーディションを受けたことがあるんです。落ちたのですが、山田監督の映画が本当に好きで、どうしても出たかったし、山田監督の映画が公開になったらお小遣いで映画館に見に行っていました」と山田作品に対する並々ならぬ思いを語った。

 オーディションで蒼井を選ばなかったことを「僕の失敗でした」と申し訳なさそうに語る山田監督に、蒼井は「そういう意味ではなくて…」とフォローしつつ「私が仕事をこれから続けていくべきかどうか、本当に真剣に考えて1回立ち止まった時に、山田監督から初めて映画のオファーを頂いた。それが『おとうと』という作品です。縁と言っていいのか分からないのですが、何かを感じて今ここに至っております。ありがとうございます」と感謝の言葉を口にした。