本場嘉義の鶏丼 その2

七面鳥の肉がしっかり味わえる「民主火雞肉飯」。サイドメニューも充実している

雞肉飯の激戦区からもう一店ご紹介したい。繁華街から少し離れたところにある「民主火雞肉飯」だ。

火雞とは七面鳥のこと。台北では鶏肉を使った雞肉飯が多いが、嘉義では七面鳥を使う店も多い。この店の鶏丼には七面鳥肉のほぐし肉ではなく肉片がのっている。ほぐし肉よりも食べごたえがあり、味付けもしっかりしているので、どちらかと言うと夕飯に適している。とはいえ、昼どきにも行列ができる人気店だ。

また、この店の特徴は七面鳥や鶏肉、さらには豚モツなどを使った副菜が充実していること。雞肉飯だけでなく、一手間かかった白菜煮込みやモツのスライスなども一緒に食べられて、豪華な食事が楽しめる。

民主火雞肉飯(ミンジューホォジーロウファン)
嘉義市民族路149號 TEL:05-2162666
10:00~20:40 無休

美食の都・台南で行列をつくる豚焼肉丼

香ばしい焼肉がたっぷり乗った台南國華街の「永樂燒肉飯」

美味しいものが多い台南のなかでも、特に美食エリエといわれる國華街と民族路三段の交差点にある「永樂燒肉飯」だ。永樂市場周辺には人気の食堂や屋台がひしめき合っており、まさにグルメの激戦区。そのなかでも昼時に長蛇の列ができる「永樂燒肉飯」は、白米の上に香ばしい焼肉が乗ったミニ丼がウリ。

適度に脂身を含んだ豚肉のスライスは、濃いめの味付けでこんがりと焼かれている。これを白米の上にたっぷり乗せていただく。サラダや味噌汁もついていてヘルシーなのも嬉しい。

この豚肉の照り具合に抗える人はそういないだろう。店にはほかにも鶏もも肉をドーンと乗せた丼飯や雞肉飯もあり、目移りしそうだ。

永樂燒肉飯(ヨンラーサオロウファン)
台南市民族路三段16號(永樂市場対面) TEL:06-2281516
10:00~21:00 水曜休

高雄では、鴨×豚のミックス丼!

脂ののった鴨肉と魯肉飯の組み合わせ。「鴨肉珍」

さらに南へ下ると、高雄では人気鴨肉店の鴨肉丼に巡り会える。最近、高雄の下町として国内外の旅行者を魅了している鹽埕(イェンチェン)。ここに老舗の鴨肉専門店、鴨肉珍(ヤーロウジェン)がある。

遠方からも足を運ぶ人がいるほどの人気店で、店内は常に満席、注文待ちの待ち列も長い。一番の看板メニューは鴨肉のスライスプレートだが、ここに鴨肉のぶつ切りをのせた丼がある。

魯肉飯も扱っているので、鴨肉丼にしようか魯肉飯にしようか迷うのだが、そんな人のために用意されたのが鴨肉と魯肉のミックス丼。白米の上には鴨肉と魯肉が半分ずつのっている。この他、鴨血糕(鴨の血ともち米を固めたもの)や下水湯もマストアイテムだ。

下水湯はもちろん鴨のモツ。他ではなかなか食べられない逸品だ。
 

鴨肉珍(ヤーロウジェン)
高雄市五福四路258號(最近、旧店舗の近くに移転) TEL:07-521-5018
10:00~20:00 火曜休

フォトギャラリーほどよい甘さととろけるような肉の食感がたまらない!厳選!台湾ミニ肉丼
  • 「老施炭焼肉燥飯」で人気のサイドメニュー、豚肉のすり身あんかけスープ。あふれるあんかけに名物主人の情が感じられる
  • 炭火焼きの豚肉が香ばしい高雄の老施炭焼肉燥飯(魯肉飯)
  • 美味しいものがコンパクトにまとまった寧夏夜市で人気の屋台「知高飯」。彰化名物の控肉飯を首都で食べられる
  • この竹串を持ち上げて、がぶり。誰がこの誘惑にあらがえようか? 「知高飯」の控肉飯。
  • 「一肥仔麺店」の豬油飯は、サイドメニューの豚モツスライスと一緒にかきこむとさらに旨い

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。