ライブでも、あんまり昔の曲をやっている感じがしない

――たとえば2015年に開催されたLUNATIC FEST.(LUNA SEA主宰のフェス。彼らがリスペクトするバンド、影響を受けたバンドが出演)だったり、MERRYや氣志團、cali≠gariなど、D’ERLANGERをリスペクトするバンドとの共演はおそらくは1990年当時ではありえなかったと思うんです。

SEELA:そうやって、交わるのは純粋に面白いですよね。方向性が違っても、お互いのお客さんたちも逆に普段観られへんものがあったんじゃないかな。それに演奏に入ってしまったらもう、どこもそうですけど、自分らの世界になるんで、どこでやろうが変わらないって感じですね。

――そして5月3日にリリースされたニューアルバム『J’aime La Vie』ですが、これまでのインタビューなどでも「きっちり構築してレコーディングに入るわけではない」と仰っています。今回もそうだったのでしょうか。

SEELA:そうですね、出たとこ勝負みたいな。

――「阿吽の呼吸」というような。

SEELA:ほんまに大本をちょこっと合わせてレコーディングに入るっていうのがだいたいのパターンなんですよ。だからその時の集中力ですね。いつもそんな感じでやってるんで、身についてるというか、それがD’ERLANGERの感じなんだろうなと。

――本作はいい意味でとてもシンプルで、D’ERLANGERというものがソリッドに表現されている印象を受けました。

SEELA:そうですねえ、ベースに関していえば今回はあんまりを音を詰め込まずに、大きい感じで良いものができたらええかなと思って弾いたんですけど。なんていうことはないんですけど、詰め込む曲もいいけども、こういうのもどうかな? という。

――なかでも『沈む』が印象的でした。ヘヴィなサウンドではないのに、重さがあるというか、深いですよね。

SEELA:これは結構パッとは弾けなかった曲ですね。ゆっくりいこうか激しくいこうか、自分のなかでも揺れた曲ですね。一番迷ったのかもしれない。

――逆にすぐにハマった曲はありますか?

SEELA:2、3曲目の『Harlem Queen Complex』『Harlem Queen Romance』ですかね。音もそんなに入れずに、すんなり行きましたね。

――通常版のボーナストラックとして、『Loveanymore -J’aime La Vie version-』が収録されています。

SEELA:曲自体はこのメンバーになる前からある曲ですからね。

D’ERLANGERの曲ってどの曲もそうなんですけど、古く感じない。
ライブでやってても、あんまり昔の曲をやっている感じがしないんですよ。全部の中のひとつという感覚があるので、「これが昔の曲」みたいにやっていない。だから自然にどの曲でもやれるんじゃないですかね。