撮影:宮脇 進(PROGRESS-M)

2016年5月7日、ヴォーカル一聖の頭部負傷により活動休止を余儀なくされたBugLug。そして1年後の2017年5月7日、一聖の復帰ライブとして行われた武道館公演。

活動休止によって何かが変わったのか? 5人に戻ったBugLugのステージを、完全レポートする。

 

この日武道館に集った人々は、1年前に止まったはずの時間が再び動き出した瞬間を目の当たりにした。

2016年5月7日に、ヴォーカルの一聖の負傷により5人での活動を休止したBugLugは、1年後の2017年5月7日、日本武道館にてワンマンライブを行った。

この日の武道館にはたくさんのファンと関係者、ミュージシャン仲間たちが詰めかけ、会場は2階席の上方まで埋まっていた。5人のBugLugの復活を見届けようと、本当にたくさんの人が会場に足を運んでいた。

一聖がいない間、4人でのBugLugを観る機会は何度かあった。一聖を待つメンバー4人のパフォーマンスは観る人の胸を打つものだったが、やはりステージの中央に空いた空間を見つめてしまう瞬間もあった。その中央に空いた空間に、今日は立つ人がいるのだ。そのことを考えるだけで胸が熱くなった。

開演前のステージには無骨なセット、ステージ中央に階段、そして中央と左右に大きなモニター。モニターにはBugLugのロゴが映し出され、小さな脈動がBGMとして聞こえている。

左右に伸びる花道は見えるものの、華美な装飾があるでもなく、仕掛けがあるわけでもなさそうだ。復活公演で初の武道館ワンマンだが、どんなライブをするつもりなのか。筆者もファンと一緒にドキドキしながら、開演を待つ。

「俺が見たかった景色だ!」一聖の雄叫び

開演時間を10分ほど過ぎた頃、会場が暗転して脈動がひときわ大きくなる。ライブの開始を予感したファンたちが次々と席を立ち、BugLugの登場を待ちわびる。

暗転した会場の中、BugLugの過去の思い出写真がスクリーンに次々と映し出され、舞台上のセリから将海(Dr)と燕(Ba)、優(Gt)と一樹(Gt)が次々と現れる。4人が定位置につくと、舞台中央のセリから一聖(Vo)が現れ、“新しいBugLug”のライブが始まった。

撮影:宮脇 進(PROGRESS-M)

1曲目は『R.I.P』。ドラマチックな導入部の盛り上がりから、「Rest in Piece!」の瞬間にステージ前方から爆煙が上がり、客席の興奮もうなぎ登りに。拳を振り上げ歓声を上げる客席に向かって一聖が「上げた手はそのまま!」と恒例の煽りを発し、2曲目の『KAIBUTSU』へ。曲中に一聖が叫んだ「俺が見たかった景色だ!!」という発言が、彼がライブに復帰できたことの喜びを端的に表していた。

3曲目『-7-』が演奏されると、客席のそこここから泣き声も聞こえてくる。大好きなBugLugが帰ってきてくれた、再びライブを観られた。それも、武道館という大きな会場で。そんな感動から涙を流すファンの気持ちは、痛いほどよくわかる。曲が終わると、大きな声援がステージに向かって降り注いだ。

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