「夜、寝てくれない」「眠りが浅く、すぐ起きてしまう」「夜泣きがひどい」……等々、わが子の眠りに関する悩みはどんなママでも必ずと言っていいほど持っているもの。

「自分で産むまで、赤ちゃんはスヤスヤと寝ているばかりだと思っていたのに!」なんて声もよく聞きます。

子供がたくさん寝てくれるようになれば、お母さんの睡眠の改善につながるメリットもあります。睡眠不足で子育てするのは、イライラが募るしふさぎ込んでしまいがち。

今回は、『7日間で完結! 赤ちゃんとママのための「朝までぐっすり睡眠プラン」』をもとに、たった3つのテクニックで赤ちゃんを眠りに誘うコツをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

赤ちゃんを胎児のころの状況に近づけて

オギャアと産まれるそのときまで、赤ちゃんはママのお腹のなかで守られています。羊水のなかで小さく丸まって快適に過ごしていたのに、急に外の世界に放り出され、何もかも環境が変わってしまってとまどっているのも、無理はないのです。

そこで、赤ちゃんを安心して眠らせてあげるために、まずは眠りの環境を胎児のときに過ごした子宮環境に近づけることから始めてみましょう。それだけで、赤ちゃんがぐっすり眠るようになるかもしれません。

1.ホワイトノイズを聞かせる

今、赤ちゃんの寝かしつけのとき、どんなふうに過ごしていますか? 眠くなるようにと、静か~にしているのではないでしょうか。

でも、赤ちゃんはお腹の中で静寂に包まれていたわけではありません。血液が流れる音や胃がぐるぐる鳴る音を常に聞いていたのです。それは、海の近くでザザーンという寄せては返す波の音を聞きながら暮らす環境にいるようなもの。

赤ちゃんは3~4ヶ月くらいまではこのホワイトノイズを欲するそうです。

放送局にチューニングしていないラジオや、チャンネルが合っていないテレビ音、扇風機や掃除機の音、ランニングマシンの振動音、加湿器の稼働音などです。赤ちゃんによって、求める音量も違うので、調節できる場合は小さい音から始めて、赤ちゃんがおとなしくなるまで音量を上げてみるのがいいですよ。

はじめは夜通し使ってみて、赤ちゃんが眠りにつく技術を身に着けたらやめていいということです。

赤ちゃんがホワイトノイズに無関心だったり、イライラしているようだったら、効果がないのでやめたほうがいいでしょう。

2.口を落ち着かせる

ママのお腹のなかの胎児は、妊娠5ヶ月までに、自分の親指やへその緒を口に入れるようになって、子宮の壁をなめることもあるそうです。指をしゃぶる行為は、赤ちゃんのイメージとしてもありますよね。

ですが、生まれた直後は手の指や足の指をしゃぶったりすることができません。手足を思うように動かせるようになるのは、もう少し成長してからの話。

でも、胎児のころの記憶で、何かしゃぶりたい欲求が赤ちゃんにはあります。

そこで登場するのが、おしゃぶりです。夜中、おしゃぶりが外れるたびに戻さなければいけないのは不便ですが、SIDS(乳幼児突然死症候群)を予防する効果も期待されているようです。

ただし、3ヶ月になったら夜中におしゃぶりを口の中に戻す代わりに、赤ちゃん自身の親指を口に入れてあげるといいそうです。

もちろん、赤ちゃんが嫌がって吐き出すようなら、求めていないというサイン。無理に口に押し込むようなことはやめましょう。

そして、赤ちゃんの服におしゃぶりを結んだりクリップで留めるのも、首に巻き付く危険があります。おしゃぶりを甘くしたりして口にいれたがるよう誘導するのもNG。

おしゃぶりは便利ですが、賛否両論もありますよね。注意して、使ってみてください。

3.くるむ

ママのお腹の中で、赤ちゃんは快適に過ごしています。そのため、外界に出ていきなり何にも守られない状態で寝るのは不安ですよね。

「おくるみ」というものがありますが、これがやはり良い睡眠のためには有効だそう。手足がぴったりと合わさって、落ち着くことができるようです。

では、正しいおくるみの巻き方を紹介します。

  1. 布をひし形になるように置いて、上の角を少し折る。
  2. 赤ちゃんの両肩を、折った布のラインに合わせて寝かせる。
  3. 両ひじのところで赤ちゃんの腕を曲げて、胸に置く。
  4. 布の左側から赤ちゃんを包んで、体の右側から、体の後ろとお尻の下に布をまわして挟み込む。
  5. 布の下の角をまっすぐ上に折りたたみ、赤ちゃんの体を包む。
  6. 赤ちゃんの右肩から自分の手の大きさほどの幅の布を折りたたみ、右肩を覆う。
  7. 折りたたんだ布の右端を左側に持っていき、赤ちゃんの体に優しくベルトのように巻きつけ、端を巻かれた布の中にしまい込む。

著者のキャサリン・トビンさんは3~4ヶ月まではくるむことを推奨しています。

ただ、こちらもおくるみを嫌がる子に無理やりやることはありません。適切にくるんでいないと布がはずれて窒息のリスクも高まるので、まずは昼寝のときに試してみて様子を見てみましょう。