甲本ヒロト&ピンク・ピッギーズ『フララン ランデブー』(タイムボカン2000 怪盗きらめきマン)

有名アーティストが参加したタツノコソングというと、この曲も決して外せません。

2000年に放映された『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』は、前作の『イタダキマン』以来、実に17年ぶりとなるタイムボカンシリーズの復活作。主人公サイドが怪盗で、三悪人ポジションにいるキャラクターが警察官という善悪のレイアウトが逆転した設定が印象的な作品でした。

本作のエンディング曲『フララン ランデブー』を歌っているのは、何と、元THE BLUE HEARTS~THE HIGH-LOWS、現ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん!

作詞と作曲を担当しているのは、山本正之さんですが、甲本さんがタイムボカンシリーズの大ファン(アニメへのゲスト出演経験もあり)ということもあってか、作品世界やメロディとの違和感も全くなし。

あの独特な声で、新世代のタイムボカンを見事に表現してくれました。歌い出しの「おととい あの娘とフラダンス きのう あいつとフラメンコ」という歌詞に象徴される徹頭徹尾、ポップで楽しさに溢れた歌詞世界にも要注目です。

SKET×Sketch『世界は屋上で見渡せた』(『SKET DANCE』)

ラストを飾るのは、『週刊少年ジャンプ』連載作をタツノコプロ制作でアニメ化した『SKET DANCE』より、この曲です。

原作漫画で、登場キャラクターがthe pillowsの名曲『Funny Bunny』を歌うシーンが描かれ、それが縁となってアニメ版では、エンディング曲をthe pillowsが担当するというロックファンには嬉しいサプライズがあったのですが、そこから更に、『SKET DANCE』とバンドがコラボを果たし、メンバーの山中さわおさんがアニメ用に書き下ろした一曲です。

アニメで主役を演じた吉野裕行さん、白石涼子さん、杉田智和さんのお三方がヴォーカルを担当しており、それぞれの声とキャラクターの立った歌も聴きどころです。

ディストーションを効かせつつもポップでハッキリとしたメロディラインを持つギターや、体言止めを多用した歌詞など、そのオルタナティヴなサウンドとリリックには、山中さんの個性がストレートに反映されており、the pillowsのファンならば間違いなく気に入っていただけるかと思います。

そんな楽曲を声優さんが歌っているというのは、何だかちょっと不思議な感じもしますが、『SKET DANCE』というアニメ作品によって生み出された豪華コラボであり、数あるタツノコアニソンの中でも、その組み合わせの妙が楽しいナンバーです。

アニソンシーンを代表する大御所歌手が歌う昭和の名曲から、人気ロックミュージシャンとのコラボによる夢のような楽曲、更には、後に有名アーティストになる"あの人"が歌う曲があったりと、タツノコアニメには、老舗アニメ製作会社ならではの魅力的な楽曲が数多く存在しています。

これもひとえに、タツノコプロが持つ歴史の重みと意欲的な作品を作り続けてきたが故の求心力がもたらす功績といえるのではないでしょうか? これからも、タツノコアニメとその主題歌から決して目が離せません!

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。