山田昇会長兼CEO(左)とベスト電器の小野浩司社長

ヤマダ電機(山田昇会長兼CEO)は、7月13日、ベスト電器(小野浩司社長)との間で資本業務提携を結んだと発表した。今年12月までに実施する第三者割り当て増資を121億2000万円で引き受け、出資比率を現在の7.45%から51.16%に引き上げてベスト電器を子会社化する。

記者会見で、山田会長兼CEOは「お互いのメリットになる提携」とアピールし、「デジタル家電の販売は厳しい状況が続いている。ベスト電器と組むことで、メーカーともウィン-ウィンの関係を築き、業界の発展につなげていく」と、買収の理由を述べた。また、「グローバルを見据えれば、規模の追求が重要となる。今回の資本提携は長期的な戦略の一環でもある」とした。

ベスト電器の小野社長は、「次の成長戦略を立てていくうえで、ヤマダ電機との提携が最適だと判断した」と述べ、121億円の資金を「店舗の活性化につなげていく」との考えを示した。

ベスト電器の上場や店舗ブランドは維持。店舗の統廃合など、買収後の具体的な施策や体制については今後詰めていくが、商品仕入れの一本化を図っていくことは決まっている。また、人員も基本的には削減しない方向で進める。ヤマダ電機の山田会長兼CEOは「ベスト電器は当社にはないサービスをもっている。貴重な人材が揃っている」と評価。ベスト電器の小野社長は、「グループ内で、当社の中堅社員が活躍できる場があるのではないか」とした。

家電量販業界トップのヤマダ電機は、売上高2600億円のベスト電器を傘下に収めることでグループ全体の売り上げが2兆円を超え、6月26日にコジマを子会社化して業界2位に浮上したビックカメラを大きく引き離すことになる。

ビックカメラは、ベスト電器の株式15.03%を所有して、これまでは筆頭株主だった。ベスト電器の小野社長は、ビックカメラとの関係が発展しなかった理由を「結果が出せなかった」からと説明。ヤマダ電機の山田会長兼CEOは、「当社は一歩先を行く経営ができている。これまでも複数社と資本提携を結んで成功してきた。今回もうまくいく」と確信に満ちた口調で語った。

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