TrySail『adrenaline!!!』(『エロマンガ先生』ED)

ソニー・ミュージックの新レーベル「SACRA MUSIC」への移籍を果たし、更なる躍進を続けるTrySailの新曲が、この『adrenaline!!!』です。

移籍後の第1弾シングルとなる『オリジナル。』では、作編曲にクラムボンのミト氏を迎え、感動的でスケール感のあるナンバーを聴かせてくれましたが、次作となるこの『adrenaline!!!』は、このユニットらしいメロディを重要視した歌唱力に、ノリの良いスカコア調のトラックをクロスオーヴァーさせたパワフルでポップな楽曲となっています。

裏打ちのビートに小気味良いギターのカッティング、そして、高らかに鳴らされるホーンセクションのサウンド。スカコアの魅力を濃縮したようなバックサウンドに、TrySailメンバーのキュートな歌声が絡む様は、ただただ“痛快”の一言です。

例えば、『WORKING!!』の『SOMEONE ELSE』、例えば、『響け! ユーフォニアム』の『トゥッティ!』。これまでにも、数多くの名曲が生み出されてきたスカコアアニソンですが、この『adrenaline!!!』も「スカコアなアニソンにハズレ無し」を証左してくれる新たな名曲だと思います。スカだけにアニメ本来の魅力を“裏打ち”してくれる素敵な一曲です。

面白いのが、この曲が使用されている『エロマンガ先生』は、オープニング曲でもツービートなスカ調の楽曲(ClariSの『ヒトリゴト』)を使っているという点です。

そういえば、本作とクリエイターの主軸を同じくする『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』でも、ゆったりとしたオーセンティックなスカがBGMに使用されていましたよね。アニソン、劇伴ファンならば、そんなポイントにも注目してアニメを楽しみたいところですよね。

SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle & Gemie『gravitywall』(『Re:CREATORS』OP)

『アルドノア・ゼロ』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』と、美麗なアニメーションでアニメファンを魅了してきたTROYCAが送る2017年作、それが『Re:CREATORS』です!

原作に人気漫画家の広江礼威氏を迎えた本作は、「フィクションのキャラクターが現実世界に登場する」というファンタジックで夢のある設定を用いながらも、ハードで謎めいたストーリー展開が大きな特徴の作品。

物語は折り返し地点を通過しましたが、メインキャラの死亡による離脱劇も辞さないハードボイルドなシナリオからは全く目が離せません。個人的にも今年最も注目している作品の一つです。

オープニング主題歌に起用されている『gravitywall』は、劇伴を担当する澤野弘之氏による楽曲。『Re:CREATORS』の作品性と世界観を象徴するような美しくもダークな電子音が立ち込めるナンバーです。

テクノポップも良い、トランスやEDMのようなアッパーなテクノサウンドも良い。そうした電子音楽とアニソンとの相性の良さは、これまでに生み出されてきたテクノなアニソンの名曲たちを振り返ってみても明晰な事実ですが、この曲のように暗く、耽美的でハードな電子音もまた、アニメとの親和性は抜群。その完成度の高さには、思わず唸ってしまいます。

『gravitywall』は、インダストリアル的でもあるし、ちょっぴりゴシック的なムードもある。“ニューウェーヴ”のダークな側面をアニソンとして再解釈した楽曲という印象を受けます。

そうした暗黒なサウンドをアニソンへと昇華し、今、とてもおもしろい音楽的表現を行っているのが「MYTH & ROID」だと思うのですが、この『gravitywall』も、本稿で紹介してきたような華やかでポップな楽曲とは違う方向性から、アニソンの深さと魅力をリスナーに伝えてくれる楽曲といえるでしょう。早くも、本年度のベストの一曲として選びたくなる素晴らしいナンバーです。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。

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