いじめの背景にあるものは”もろい人間関係”がある

以前からよく言われていることですが、メールやLINEなどの文字のやりとりでは「かわいくない?」と聞いたつもりが、「かわいくない」と否定されたと受け取られるような誤解が生じがち。それがきっかけで、いじめや人間関係の悪化につながることもあります。

これは文字のやりとりだからという問題ではなく、表面的には楽しそうにしているのに心の中ではお互いに寒々しい風が吹いているような、もろい人間関係が原因。相手のちょっとした言葉や行動に傷ついたり、疑ったりして、本音をぶつけたり、相手に気軽に聞いたりすることができないのです。

こういった人間関係こそ、いじめが発生する背景だといいます。

子どもが希薄な人間関係を築いてしまわぬよう、常々親子関係の間でもしっかりと会話をかわしておきたいものです。

リーダー的存在がいるクラスはいじめが起きにくい

著者は「リーダーがいるクラスには、いじめは起きない」といいます。

グループで何か一つのことをする際に、◯◯ちゃんはこれをやってねと役割を振り分け、やる気のない子もうまく気持ちを乗らせることができる。著者がある学校を訪問をした際、そんなリーダー的な子の姿を目にし、感銘を受けたといいます。

教師から生徒への一方通行ではなく、リーダーが存在していること自体、クラスにルールがあり、皆でそれを作っている風土がある証拠。

いじめというのはこの「風土」に大きく関係しているため、先生・リーダー・子どもたちで協力しあっているクラスにいじめは起こらないといいます。

家庭においても、どう行動したら物事が円滑に進むのか?を話し合ったり、時には子どもにリーダーシップを取らせて行動したりしてみるのも良いかもしれませんね。

もちろん、人前に出たり、人に指示を出したりすることが苦手な子でも、先の紹介したように問いかけを行い自分自身で考えさせる習慣をつけることで、今自分の身の回りで起きていることに対する判断力を養うことができます。

いかがでしたか。本書は教育学の専門家である著者が、「そもそも学校とは何なのか」「学校ではどのように子どもを指導しているのか」など、学校教育の基本的な部分をわかりやすく解説しています。

教育の専門機関である、「学校」を知ることで、家庭では子どもにどのように接したらいいかというヒントも見えてくるのではないでしょうか。

 

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。