光畑:ほとんどのママは、「できることなら、気を遣わせたくない」と強く、強く願っているのではないでしょうか。

本当は「気を遣わせたくない」けど、どうにもこうにも“手段”がないから、仕方なく「気を遣っていただけたら助かります」というスタンスになるのでしょうし、「どうしようもないことだから理解して欲しい!」というママも、なかには出てくるというか。

この「気を遣わせたくはない……んだけど致し方なく」という気持ちの揺れについては、リアルで体験してみるとよく分かるんですよ。

私はいま大学で講義をさせていただく機会もあるのですが、授業中に「授乳体験」をしてもらうことがあって、そこで女子学生に胸をはだけてもらうワケにもゆきませんので、男子学生にちょっとしたお手伝いをしてもらうことにしています。

男子学生さんに赤ちゃんのお人形を抱いてもらって授乳姿勢を取ってもらうのですが、その際に自分のシャツのボタンを1つ2つ外したり、すそを軽くまくったりするだけで、どの学生さんも、

「恥ずかしい」
「周りに気を遣わせてる感がしんどい」
「こんなこと、やらずに済むならやらないほうがいい」

といった反応を、もれなく示します。胸を出すことに女性ほど抵抗がない男性ですらそうですから、女性が、なおいっそう苦しく感じてしまっても無理のないことですよね。

でも、赤ちゃんがグズって周囲に迷惑をかけてしまって、落ち着かせるには授乳が最も早くて効果的となれば、自分がどんなに恥ずかしくとも、どんなに周りに気を遣わせようとも、おっぱいをあげるという選択をせざるを得ないかもしれない。

「公共の場での授乳」論争は往々にして「気遣って欲しい」VS「気遣いを強要するな」になりがちなのですが。

でも、ママたちの、ホントのホントの本音はといえば。

「気を遣わせたくなんかない!」

これが、心の奥底の、偽らざるキモチなのではないでしょうか。

――たしかに!周りに気を遣わせずに済むなら、そうしたい!そうしたいです!

光畑:やっぱり、そうですよね?(笑)

そこで声を大にして言いたいのが、ママの世界はとっくに「気を遣わせたくはない……んだけど致し方なく」ではなくなっている、ということ。

「気を遣わせたくない」という本音にフォーカスしたソリューション(解決策)があって、“致し方ない”というのは、もはや“思い込み”に過ぎません。

その解決策が「授乳服」なのです。

授乳服があれば、抱っこしているようにしか見えないまま、おっぱいがあげられます。言い方を換えれば「公共の場」でも、周りに気を遣わせることなく“こっそり”授乳できるのです。

授乳服を着たら、どれだけ“周りにバレない”で授乳できるか、百聞は一見に如かず。まずは動画をご覧いただきましょうか。

授乳服を着てみたら?隣の人にはどんな風に見える?電車の中ではどんな感じ?

――これは以前のインタビュー(「授乳服・ケープどっち? “赤ちゃんを泣かせない”コツ【動画あり】|光畑由佳さんインタビュー(1)」)の際に、撮影させていただいたものですね。こんなに近くにいても、授乳中であることがバレない、抱っこしているようにしか見えないのが衝撃的でした!

光畑:もし「公共の場」を想定するとしたら、弊社で制作したこちらの動画(↓)のほうが分かりやすいかもしれません。

――「公共交通機関に乗ってしまえば授乳できるから大丈夫」というのは、一般的なママの常識から考えたら“真逆”ですね。

光畑:でも、この動画も、おっぱいをあげるタイミングとしては“遅過ぎる”くらいなんですよ。