ロアン・カン業務執行役員Officeビジネス本部本部長

米マイクロソフト(スティーブ・バルマーCEO)は、現地時間の7月16日、新OSのWindows 8に最適化し、クラウドサービスと連携する次期統合ソフト「Office」を発表した。これを受けて日本マイクロソフトは、7月17日、国内で最終ベータ版「カスタマープレビュー」の提供を開始するとともに、会見を開いて次期「Office」の特徴をアピールした。具体的な販売時期、価格、販売施策は未定。

次期「Office」は、スマートフォン・タブレット端末などのマルチデバイスに対応。対応OSはWindows 8/7で、デジタルノート「OneNote」アプリを利用して、iPhoneやiPad、Android搭載スマ―トフォンでも使うことができる。UI(ユーザーインターフェイス)は余計な装飾を最小限にしたシンプルなデザインで、ユーザーが必要なときに必要なものだけを表示する。画面へのタッチや、ペン・マウス・キーボードによって簡単に操作できる。

クラウドサービスとの連携を強化。ドキュメントをオンラインストレージ「SkyDrive」に保存し、コンテンツと最新の編集内容をタブレットやPC、モバイル端末から利用することができる。オフラインでも利用でき、ドキュメントはインターネットに接続したときに自動的に同期を取る。サブスクリプションサービス「Office 365」のユーザーは、「Officeオンデマンド」によってインターネット上でフル機能の「Office」を使うことができ、クライアントPCに「Office」をインストールする必要がない。

ソーシャルサービスとの連携では、グループウェア「SharePoint」で人・チーム・ドキュメント・ウェブサイトをフォローし、仕事に必要な同僚や情報と常につながることができる。また、Skypeと連携して「Office」を利用しながら多拠点でのビデオ会議が実現する。今年6月に米マイクロソフトが買収した企業向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のYammerでは、「SharePoint」との統合機能を提供する。

管理機能では、データ損失防止(DLP)機能によって、企業内の機密情報を誤った宛先に送ることを防止。「eDiscovery(電子証拠開示)Center」を利用して、「Exchange」「SharePoint」「Lync」上のデータ検索・保持・分析ができる。

次期「Office」のカスタマープレビューは、家庭向けの「Office Professional 2013 プレビュー」、中小企業向けの「Office 365 Small Business Premium プレビュー」、大企業向けの「Office 365 ProPlusプレビュー」「Office 365 Enterprise プレビュー」の4種類を提供する。

日本マイクロソフトのロアン・カン業務執行役員Officeビジネス本部本部長は、「今回の試作版は、英語とスペイン語、日本語の3言語のみ。マイクロソフトは日本を重要視している」とアピールした。