「この問題は解決できる!」と断言する女性がいます。

自ら「公共の場での授乳」で辛い経験をし、日本初の授乳服専門ブランド「モーハウス」を起業して20年。育児と社会の共存を目指すNPO法人「子連れスタイル推進協会」代表も務める光畑由佳さんに聞きました。

【特集:公共の場での授乳問題(3)】ママたちは「気遣って欲しい」なんて思ってない!? 本音から生まれた超簡単解決法」に続く、インタビュー後編です。

「授乳服」はこんなにお役立ち!でもそのアピールが困難を極めるワケ

光畑:私は20年来、授乳服の開発に携わりながら「公共の場での授乳」問題に関わり続けてきたわけですが、生産者としては「授乳服」を“バレたら負け”だと思って作っています。

つまり「すぐそばにいる人にも、ママが授乳中だとバレない」ように。自分の苦い経験から、これは絶対に譲れません。

でもそれが却って、世に広めてゆくためには妨げとなることもあるようで。

というのも、これだけ「公共の場での授乳」問題がヒートアップして、ありがたいことにあちこちで授乳服メーカーの先駆けとしてモーハウスを取り上げていただいているにも関わらず、じゃあ「授乳服」がバカ売れしているかというと、残念ながらそうではないのですね。

それで、さまざまな分野の方々からご指摘を受けたその理由というのが、メディア等でご紹介いただく「授乳服」を着用しての授乳シーンが、まったく「授乳中」に見えず、抱っこしているようにしか見えないために“新聞の育児欄によく載る親子写真”としてスルーされてしまっているらしい……と。

写真のわきの細かな説明まで読んでいただかないことには「エッ授乳中だったの?コレならいいね!」という反応にまでたどり着けないから、だというのです。

モーハウスの本社は茨城県つくば市にあるのですが、茨城の良さをご紹介するイベントとして、銀座で「授乳パレード」をしたこともあります。

でもこの時も、傍からはただ「ママが赤ちゃんを抱っこして歩いている」だけにしか見えなくて、これではいかん!ということで、急遽「いま授乳中です」という看板を作成して、後半はそれを掲げながら歩いたなんてこともありました。

つまり機能を追求すればするほど、パッと見でお伝えするのが難しくなるというか。販売者としてはなかなか、マーケティングとして厳しいところがあるんですよ……世のママたちのため、赤ちゃんたちのために、我々もアプローチ方法を考えなければ!とあらためて感じているところです。

「公共の場での授乳」問題は解決できる!ママは自分の幸せをガマンしないで!

――では授乳服が“当たり前のママグッズ”になっていないもうひとつの理由、ママを取り巻く社会問題というのは何でしょうか?

光畑:ママが、自分のためにお金を使わなさ過ぎる、ということです。

以前のインタビュー(「ママ、頑張りすぎてない!? 子どもが幸せになるために大事な「ラクする子育て法」」)でもお話ししましたが、子どものミルク代なら躊躇なく出す金額でも、ママ自身が不安やストレスから解放されるためには使わない。なぜなら常に、
「自分にお金を使うなんて、もったいない」
「できるだけ、安いモノを選ばなきゃ」
「私は、我慢すればいい」
と思っているから。

社会が、ママに「ガマン」を求めているから、ともいえるかもしれません。悲しいことに自分の幸せは後回しにして、我慢ばかりしてしまうママが、圧倒的に多いんですよ。

ママの幸せや笑顔こそが、赤ちゃんの幸せと笑顔に直結します。だから、だからこそ!

ママも安心してリラックスできて、赤ちゃんも好きな時に満足できるだけのおっぱいが飲めて、周りにも迷惑を掛けずにお出かけが楽しめるように!

モーハウスの商品でなくても構いませんから(笑)いつでもどこでも“自由”に授乳できる「授乳服」を、ぜひ活用していただきたいな、と思いますね。

私たちは専門メーカーとして「モーハウスの10か条」に基づく製品作りをしているのですが、そこまで求めなくとも最低限「胸やお腹を露出しないで済むこと」と「すぐ(1~2秒で)授乳できること」、この2点のみ押さえておけば、便利で高機能な「授乳服」にきっと巡り合えるはず。

そうしたらママと赤ちゃんの生活が、一変しますよ!

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