撮影:小林裕和

時事漫才DVD『爆笑問題のツーショット』第13弾が、6月21日発売! 政治・経済・芸能ネタからワンオペ育児まで斬りまくり!

今作への意気込みは? 日本のお笑いはオワコン? 3児のパパになって変わったことは? 笑いの本質、さらには子育ての思わぬヒントまで、ガッツリ語っていただきました!

田中:え、ママ向けサイト?

太田:何を聞きにきたの? どうして?

――お二人そろっての逆質問から始まった今回のインタビュー。「漫才のお話を伺いに来ました!」とお答えしたものの、たしかにこのクエスチョンも“ごもっとも”かもしれません。

ママ向けにDVDのご紹介といえば『おかあさんといっしょ』あたりが世の常、人の常。ママのひとりとしてもちろんそれも大歓迎だけれど、「独身の頃からバクモンのファンで、実は夜中に授乳しながらこっそりラジオ聴いてるんだよねぇ」な~んて亜種がいたっていいのでは?

それに3児のパパになった田中さんが、保育園の送り迎えや学校行事に奔走しつつ、5月に生まれた赤ちゃんのお世話もしつつ、これからも社会とガチンコ対決する“キレキレ”の漫才師のままいられるのか? その辺もちょっぴり興味があったりして。

そんなささやかな反骨心(?)から始まった本企画、ママ向けサイトとしてはひょっとしたら異例中の異例ともいえる、「ハピママ*」での【爆笑問題ロングインタビュー】の幕開けです!

爆笑問題は“日和った”のか? 2017年版「時事漫才」のスタンスと世論

――まずは毎年出されている「ツーショット」シリーズ、第13弾となる今作への意気込みを聞かせてください。

太田:あー、これは恒例のものとしてやってるんで。例えばDVDだからって、あらたまって「自分たちの笑いを追求してやろう!」みたいな意識は、ないかもしんないね。

――なんだかいきなり、肩透かしな感じなんですが(笑)

太田:漫才をやってDVDを作ってっていうのはもう、いわば日常のなかのひとつなので。普通にやるべきことのひとつとしてやってるね。

――「普通にやるべきことのひとつ」といえば、昨年6月のウレぴあ総研インタビュー(爆笑問題“時事ネタへのこだわり”とは?「笑いにくい世の中ほど、ウケたときの笑いは大きい」【ロングインタビュー】)では「さすがの爆笑問題も日和ったか、といわれるのは悔しい」なんてコメントもされていました。その思いは、いまも同じようにありますか?

太田:この1年で、ずいぶん状況も変わってるんだけど。

たぶん去年の話は、俺が安倍さんの主催する「桜を見る会」に行って一緒に写真を撮ったら、「爆笑問題が『安倍のバカヤロー』って言ったクセにホイホイ出かけていった」みたいに言われたってことがあって。

んなこと言われてもね、別に「安倍のバカヤロー」って言った時には、すでに行くことが決まっていたからね。

だから「そんなワケじゃないんだけどなー」という思いがあった。

“圧力”だなんだってよく言われて「あいつら政治ネタはやらない」みたいな風に勝手に言うんだけど、別にNHKでだって政治ネタさんざんやって、やったらやったで何も言わないんだよね、そういう奴らって。

やらなきゃ「あいつら、やらなかった」みたいなこと言うクセに、やっても“無視”するんだよね、ひどいなーと思ってね。

――今回のDVDでもアンタッチャブルな北朝鮮問題に始まって、国際情勢から国内政治、はたまた都政に至るまで、86分ノンストップでネタにしまくっています。

太田:でも今なんかもう、ニュースもワイドショーも全部が加計学園でしょ? テレビ局が全局、安倍批判をやってる。

それはそれでまた、なんか当たり前になっちゃう。それを笑いにしても、迎合的な感じになっちゃうじゃない?

“日和る”とか“日和らない”とかさ、何に関しても、考え過ぎなんだよ! みんな!

田中:結局のところ、それぞれ意見はあって、考え方もあって。でも、それを深読みし過ぎてるんだよね。

やっぱり、ネットの伝え方が断片的過ぎるし、ウソも多いので、そこを勝手に作っちゃって、それがまた伝達されてゆくうちに、まったく違うことになっていって。

誤解がまた誤解を生んで、誤解だらけになっちゃってるっていうのが、一番大きいとは思いますよ。

――振り返ってみれば、同じインタビューで「批判されないようなところをすり抜けて笑いにするやり方を、多少は覚えてきて」といったお話もされていました。

ちょうど今回のDVDを収録する少し前(※収録日は5/15)には、「日本のお笑いは政治を風刺できないから『終わっている』」という発言に端を発した“オワコン論争”もありましたね。