爆笑問題にとって「お笑い」とは? ママたちとの思いがけない共通項も!

太田:我々がやってる「お笑い」っていうのは、言ってしまえば、これは「いじめ」なんだよね。

よく「いじり」と「いじめ」は違うっていうヤツがいるんだけど、俺は一緒だと思っていて。俺らがテレビなんかでやっていることをマネして「いじめ」は起きると思ってるし。

田中のことを「チビ」って言ったりなんかすることって「いじめ」そのものだよね。

芸人側はね、そこに信頼関係が、愛情があるからって言い訳はするけど、でも実際は、学校なんかで起きていることと同じことをやってます。

けど、楽しいから「いじめ」もやっちゃうワケで、楽しいものなんですよ、「いじめ」って本来。

俺は“笑い”がなければ、人は生きていけないと思う。「生きていてよかった」とも、思えないと思う。でもその真逆にあるものも、たぶん同じところにある。楽しいことには必ず、喜びもあれば人を傷つける要素も入っていて、それは別個のものじゃないんだよね。

撮影:小林裕和

――なんだか全然脈絡のない話かもしれないのですが……「育児」にも通じるものがあるような気がしてきました。

子どもを笑顔にするのも、逆にどん底に突き落とすのも、ママのさじ加減ひとつというか、相手を生かすも殺すも親次第というか。信頼関係や愛情を言い訳にしがちなところも、重なるかもしれません。

いわゆる“母性愛”はキレイなところにばかり光が当たるんですけど、ニコニコ優しいママでばかりもいられない自分がいたりして。

太田:まぁ、そうなんでしょうね、おそらく。うぅーーーーーーーーん。

別のものじゃないですよね、苦しみと、喜びって。

育児に関してもおそらく、かわいいっていうのと憎いっていうのは、おんなじ“感情”の中にあるワケだから、それは別個のものじゃないっていう風に意識して、知っているだけでも違うのかもしれないね。

それを別のものとして考えちゃうと、自分は憎んでいるだけなんじゃないかってことで、悩んじゃったりするかもしれないし。

これは、いじめについての座談会(※)でも話したことがあるんだけど。

人が死ぬ原因になるものと、人の生きる糧になるものは、本当に同じ場所にあるんですよ。

俺らも、そこに“毒”は絶対あるってことを思いながら「お笑い」をやってる。もしかしたら「育児」も、そういうものなのかもしれないね。

(※)『爆笑問題と考える いじめという怪物』太田光 NHK「探検バクモン」取材班(集英社新書)

お笑いファンのママたちに届けたくて、爆笑問題を直撃した今回のインタビュー。お二人にとっての「時事漫才」とは?「お笑い」とは? そんなテーマを熱く語っていただきながら、最後の最後には、まさかの展開にもなりました。

「子育て」とは一見、およそ関係のない事柄が、ママと子どものつながりに、これまでとはまるで異なる姿を見せてくれることってあるのかも。そしてそんなミラクルは、いわゆる「育児」とかけ離れているところだからこそ出会えるのかもしれません。

それはそうとママの皆さん、大笑いしたのって、最近ではいつのことですか。パパの皆さん、パートナーが大口を開けて笑い転げている姿を、最後に見たのはいつでしょう?

「この頃Eテレばっかりだったけど、以前は“お笑い”をよく見てたっけ」なんて久々に思い出したら、時事漫才DVD『爆笑問題のツーショット』第13弾をぜひ。ただしリハビリには、チョイと“毒”が効き過ぎているかもしれないので注意してくださいね(笑)

爆笑問題のお二人、ロングインタビューありがとうございました! またぜひ「ハピママ*」に、吠えにいらしてくださいませ☆

爆笑問題「2017年度版 漫才 爆笑問題のツーショット」 好評発売中!

2017年6月21日発売

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【本編収録内容】 2017年度版漫才
【特典映像】山中秀樹のニュースコーナー/【封入特典】2016年度事件簿

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。