命の危機を感じたトラブル

ナミビアで車が高速スピン! 半回転するも、ほぼ無傷で生還! ©Go YAMAGATA

未知なる世界に足を踏み入れれば、身の危険にさらされることも……。山形さんは過去の冒険で、車をスピンさせてひっくり返したり、海賊に襲われたりしたこともあるのだとか。そんな彼にとって、一番の恐怖体験はなんなのだろうか?

山形さん:カバに追われた時には、本気で命の危機を感じました。カバはおとなしいイメージがあるかもしれませんが、実は顎の上下にある大きな牙で噛みつくんですね。

あの時はナミビアの川にいたカバを夢中で撮影していて、目があった直後にこちらに向かってきたんです。その瞬間のギョロっとした目と唸り声は忘れられません。もしその時に死んでいたら、僕の遺作はそのカバのショットでしたね。

遺作になったかもしれなかったカバの写真 ©Go YAMAGATA

小塚さんもデンキナマズを釣った際に感電するなど、対怪魚ならではの危険な目にあっている。しかし、これまでの旅で最も恐ろしかったのは動物ではなく、意外にも人間だったそうだ。

過去に釣り上げたデンキナマズ。その際には感電もしたようだが、肘のあたりまでジーンとしびれる程度で想像よりも大したことはなかったそう

小塚さん:僕が死を感じたのはタンザニアの国立公園で撃たれたことですね。夜に車で移動中、星があまりに綺麗で見とれていたら、前方に赤い光が三つ見えました。何だろう? と思った瞬間パパパパーンッと銃声が! 強盗目的の襲撃でした。

幸いにも弾は僕らには当たらず、タイヤも三輪は無事だったので、そのまま急いで逃げました。

危険な目に遭いながらも、冒険にはそれに勝る喜びと感動が満ちている。なぜ冒険に行くのか? それはきっと行った人にしかわからない。そして誰もしたことのない冒険が出来たなら、もしかしたら冒険そのものが仕事になるのかもしれない。

小塚拓矢 1985年富山県生まれ。幼い頃からの魚好きが高じて東北大学理学部でハゼの研究をする事に。学生時代から研究と並行して、ジャングルを旅しながらそこに潜む怪魚を釣り上げる事に没頭する。卒業後、2012年に古代魚シーラカンスを釣り上げる事を定款とした株式会社「モンスターキス」を設立し、現在まで49カ国を釣り歩く。

山形豪 1974年群馬県生まれ。少年時代を西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごし、大自然の美しさに魅了される。国際基督教大学高校を卒業後、東アフリカのタンザニアに渡り、野生動物や風景の写真を撮り始め、写真家を志す。2000年以降は、南部アフリカを主なフィールドとして、野生動物や風景を撮り続ける傍ら、より多くの人にアフリカの自然を体感してもらうべくサファリツアーのガイドとしても活動している。

ライター。2017年6月よりWEB漫画の編集者へ。SF・百合漫画好き。

過去の記事