BCNは、7月24日、PC・デジタル家電の実売データ「BCNランキング」にもとづいて、107アイテム(ジャンル)について、2012年上半期(1月~6月)に最も販売数量が多かった「上半期No.1メーカー」を発表した。

BCNでは、年1回、全国の主要な家電量販店、パソコン販売店、ネットショップから収集したPCやPC周辺機器、デジタル家電などの実売データ「BCNランキング」にもとづいて、部門(ジャンル)ごとに年間販売数量第1位の企業を表彰する「BCN AWARD」を開催している。今回は、この中間集計として、2012年1月~6月の6か月間のデータをまとめ、「上半期No.1メーカー」を発表した。ここでは、計107ジャンルの上半期No.1メーカーの企業名とともに、スマートフォン、デジタルカメラなどの注目ジャンルのトピックスを挙げる。

●スマートフォンは成長期に入って拡大が続く

スマートフォンは、昨年10月に発売した「iPhone 4S」がロングセラーで売れ続けているApple Japan(アップル)がシェア25.8%で2012年上半期(1月~6月)のメーカー別販売台数1位を獲得し、「Xperia」ブランドで複数の端末をラインアップする2位のソニーモバイルコミュニケーションズに9.8ポイントもの差をつけた。2012年上半期の携帯電話の累計販売台数に占めるスマートフォンの比率は73.0%に達し、依然として拡大傾向は続いているものの、成長期の終盤にさしかかっている。

●レンズ交換型デジカメも活況、タブレット端末はデスクトップPCと同規模に

デジタルカメラ(一眼レフ)は、キヤノンがシェア59.8%でトップ。デジタルカメラ(ミラーレス一眼)はシェア30.7%でオリンパス、デジタルカメラ(レンズ一体型)はシェア16.2%でキヤノンがそれぞれ1位を獲得した。2位は、一眼レフはニコン(28.8%)、ミラーレス一眼はパナソニック(29.6%)、一体型(コンパクトデジタルカメラ)はソニー(15.4%)だった。一眼レフとミラーレス一眼を合わせたレンズ交換型デジタルカメラは、昨年発生した東日本大震災やタイの洪水による影響がほぼなくなり、市場拡大の途上にあるミラーレス一眼の好調に加え、一眼レフの復調も貢献して活況が続いている。

このほか、スマートフォンやタブレット端末など、Wi-Fi(無線LAN)対応機器の増加や、従来の有線LANからの切り替えによって家庭内での活用が広がっている「無線LAN」や、デスクトップPCとほぼ同規模まで成長した「タブレット端末」が前年(2011年)の上半期に比べて伸びている。

下半期は、「タブレット」「クラウド」に本格的に対応する10月26日発売予定のWindowsの新OS「Windows 8」が、PC市場に激変をもたらす可能性がある。また、7月発売の電子ブックリーダー「kobo Touch」、日本で近日発売とアナウンスされた「Kindle」によって、注目度が高まっている電子書籍(電子ブック)市場が本格的に立ち上がる可能性がある。こうした環境の大きな変化が各社のシェア争いにも影響を及ぼすことになるだろう。

BCNは、来年1月、2012年に最も販売数量が多かったメーカーを表彰する「BCN AWARD 2013」を開催する予定。残り半年弱で順位やシェアに変動があるのか、今後の動向に注目したい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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