『カム・フライ・アウェイ』舞台写真 (C)Jun Wajda 『カム・フライ・アウェイ』舞台写真 (C)Jun Wajda

全編にフランク・シナトラの歌を配したブロードウェイ・ミュージカル『カム・フライ・アウェイ』の来日公演が7月24日に東京・オーチャードホールにて開幕、初日の会場にはジャズシンガーの綾戸智恵、エッセイストの安藤和津、作曲家のキダ・タロー、フランク・シナトラの孫であるマイケル・シナトラさん、音楽評論家の湯川れい子ら著名人も多く訪れた。

『カム・フライ・アウェイ』公演情報

とあるナイトクラブに集う男女のラブゲームが、情熱と、色気と、時に笑いを交えて描かれる。演じているのが俳優ではなく、バレエの高度なテクニックを有する14人のダンサーというのが、この舞台の最大の特色だろう。セリフを使わず、すべてを体の動きで表現してみせる趣向に、巨匠振付家トワイラ・サープのセンスが冴える。『マイ・ウェイ』『ニューヨーク・ニューヨーク』といった代表曲から未発表音源まで、使用される楽曲は30曲以上。デジタル加工で取り出されたシナトラの歌声と、ビッグバンドの生演奏によるセッションが、ライブ感たっぷりにドラマを盛り上げる。

公演の感想を求めらると、湯川は「アメリカ国外でこんなファーストクラスのレベルが観られるなんて思わなかった。腰が抜けました」、綾戸は「アメリカで観た舞台よりプラスアルファがあって、つい客席で盛り上がってしまった。私のまわりの人、うるさかったんちゃうかな」、安藤は「ダンサーの筋肉がすばらしい。ひと足先に、芸術のオリンピックを見たようです」とそれぞれコメント。日本在住のマイケル・シナトラさんが「ハリウッドで観て以来、2度目の観劇。サキソフォーンを演奏したふたりが、めっちゃ良かった」と流暢な関西弁で演奏を称えると、音楽家であるキダも「ええバンド連れてきたな、と思いましたね。シナトラの伴奏としては最高級」と太鼓判を押した。

『カム・フライ・アウェイ』日本公演は、8月12日(日)までオーチャードホール、8月15日(水)から19日(日)まで兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールにて開催。