『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』の出演者 左から戸松遥、駒田一、佐々木喜英 『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』の出演者 左から戸松遥、駒田一、佐々木喜英

韓国で14年のロングラン実績を誇るミュージカル『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』、その日本版が今秋上演される。公演に向け、キャストの駒田一、戸松遥、佐々木喜英に話を訊いた。

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』公演情報

舞台設定は、四十路の独身男ドンウク(駒田)が暮らすアパート。そこに、弟のドンヒョン(佐々木)がやってくる。何年も会うことのなかったふたりの再会は、最初こそ楽しい。しかし、生真面目な兄と奔放な弟の本音は、やがて摩擦を生んでしまう。そこへ、ユ・ミリ(戸松)という突然の訪問者が出現したことによって、物語は意外な方向に展開する。

2008年、2010年に続いて3度目の出演となる駒田は、「僕以外のメンバーが変わることに心配はしていません。3人だけの舞台だから、自然にいつも一緒にいるようになるし、新しい家族ができたような感覚です」と初参加のふたりを歓迎する。続けて「遥ちゃんとは今もドキドキしてまともに目を合わせられない」「喜英君は“またカッコいい奴が隣に来やがったな”と思った」と駒田が明かすと、ふたりからは「えーっ! そんなぁ」(戸松)、「いやいやいやいや」(佐々木)とのリアクションが。

コメントからはすでに、物語やキャラクターに対する深い理解が感じられる。「ドンウクは、家族を溺愛しているのに、その家族から疎まれている悲しいお兄ちゃん」(駒田)。「でも、弟ドンヒョンの気持ちもわかります。僕も中学生の頃、両親の気遣いをうっとうしく感じたことがあったので」(佐々木)。「ユ・ミリは、まっすぐで純粋な女の子ですけど、ドジな一面もある。そんな彼女が兄弟の険悪な空気をガラっと変える役目も担っているので、そこをうまく表現できたら」(戸松)。作品を知り尽くした駒田の「普段はなかなか表に出せない“愛”を素直に伝えたくなる、観ていて優しい気持ちになれる、そんな作品の力をベースにしつつ、また新たな僕らの『サ・ビ・タ』を力を合わせて創っていこうと思います!」との言葉が頼もしい。

東京公演は、青山円形劇場が会場となる。「360度から舞台を観られる劇場での新しい『サ・ビ・タ』です。お客様と一体になって素敵な作品にしたいと思っています」(戸松)。「お客様もお芝居に参加できる距離感が素敵。できれば僕も客席に行って、台本にないやりとりをしてみたいです」(佐々木)。息づかいまで感じられそうな緊密空間で、優しさあふれる等身大の物語を味わえる、貴重な機会だ。

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』は、10月18日(木)から28日(日)まで青山円形劇場にて上演。チケットは7月28日(土)より一般発売。福岡公演あり。