7月7日発売の「HUAWEI MateBook X」をいち早くレポート

SIMフリースマートフォン、タブレット端末で知られるファーウェイが今夏、PC市場に本格参入する。目玉は、2160×1440の高解像度ディスプレイ、OSにWindows 10を搭載した初のクラムシェル型ノートPC「HUAWEI MateBook X」だ。昨年夏に初めて投入した2in1 PCも「HUAWEI MateBook E」としてリニューアル。専用のキーボードカバーとドックを一新し、より使いやすくなった。 7月7日の発売に先立ち、お借りした実機をトートバックやリュックに入れて持ち歩いてみたが、どちらも、意識しないと、その存在を忘れるほどの軽さだった。ワンタッチのログインや、USB Type-Cのみのインターフェイスなど、シンプルさも追求。決まり切ったデザインの多いノートPCの進化形といえそうだ。

最近、ノートPCは、重さ1kg前後の軽量モデルが人気を集めている。スマートフォンのテザリング機能や公衆無線LANサービス(無料Wi-Fi)を利用して、移動中や外出先でインターネットにつないでPCを使うスタイルが広がっているからだ。家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」でも、「HUAWEI MateBook X」が属する重さ1.1kg未満のノートPCは2017年5月、前年同月比で販売台数は135.1%と大きく伸びている。一方、それ以上の重さは87.2%と2ケタの前年割れだ。こうした傾向は昨年秋から顕著になっており、売れているのは軽いノートPCなのだ。

ドルビーと共同でイイ音を追求 メインマシンとして使えるモバイル

薄さ12.5mm、重さ約1.05kgと軽く、PCでは世界で初めて「Dolby ATMOS Sound System」を搭載した「HUAWEI MateBook X」は、ビジネス、エンタテイメントの両方のニーズにマッチする。13インチのディスプレイを搭載しながら、A4サイズより小さいメタルボディは、所有感をくすぐる美しさ。Windows PCには類似の製品はなく、こうしたしっかりとした質感をもちながら、小型・軽量なマシンを求めていた人には最適な1台といえるだろう。

世界最小クラスの小型ボディと並ぶ特徴は、臨場感あふれる高いサウンド性能。ソフトだけでなく、実際のハード設計にもドルビーが関与し、天板を開いた状態で心地よいサウンドを実現するように設計したという。Dolbyのデモコンテンツを再生したところ、確かにその通り、奥行き、そして広がりがあり、とてもクリアに聞こえた。

解像度2160×1440、コントラスト比1000:1、sRGBカバー率(色再現率)100%の13インチのIPS液晶ディスプレイは色鮮やかで、黒色も引き締まって見える。また、画面占有率88%、左右4.4mmの狭額縁デザインなので、画面のまわりにフチはほとんどない。防滴仕様のキーボード部分と大きめのトラックパッドのバランスもよく、数年以上前のノートPCからの買い替えなら、ハッとするデザインだろう。

第7世代インテル Core i7/i5プロセッサ、8GBのメモリを搭載し、処理速度は十分。宇宙航空技術を応用した独自の放熱システム「HUAWEI スペース・クーリング・テクノロジー」を採用したファンレス設計なのでファンの動作音はなく、動画鑑賞やクリエイティブ作業に集中できる。バッテリ駆動時間も約10時間と長い。

電源ボタンは、指紋認証センサと兼用で、さっとボタンを触るだけで、スリープ解除と同時にWindowsにログインできる。指紋は最大10つまで登録可能で、さらに各アカウントに紐付けられるので家族でPCを共有する場合に便利だ。

本体カラーはプレステージゴールド、スペースグレー、ローズゴールドの3色。美しい仕上げをはじめ、随所にスマホで培った技術が取り入れられ、OSこそWindowsだが、モバイルに強いスマホメーカーならではの製品だと強く感じられた。

昨年夏、2in1PC「HUAWEI MateBook」を引っさげ、PC市場に参入したファーウェイ。新しい「HUAWEI MateBook E」は、その初代MateBookの進化版で、解像度2160×1440、色再現率85%、12インチのタッチパネル対応ディスプレイと、最大160度までの角度調整が可能なスタンド機能が加わった新しいキーボードカバーが特徴だ。

キーボードが大幅に進化 よりタイピングしやすく

ディスプレイには、スマホとタブレットと同じ、独自の「Huawei ClariVu」技術を転用。「HUAWEI MateBook X」もClariVu技術の一部を採用しており、どちらも、目によくないといわれるブルーライトをカットする機能を搭載する。

従来機種に比べ、CPUやサウンド性能を強化しながら、25%の省電力化を図り、従来と同じ約9時間のバッテリ駆動を実現。薄さ6.9mmのメタルボディは「HUAWEI MateBook X」同様、高級感があり、キーボードカバーと組み合わせると一層引き立つ。Windowsタブレットにありがちな野暮ったさがなく、店頭でひときわ目を引きそうだ。本体カラーはシャンパンゴールド、チタニウムグレーの2色で、それぞれブラウン、ブルーのキーボードカバーが付属する。

キーボードカバーは、水滴が落ちても安心な防滴構造で、キーピッチの広いアイソレーションキーボードになり、使い勝手がよくなった。「HUAWEI MateBook X」のキーボード部と同じく、暗くなると美しく光るバックライト付き。さらに、マグネットを強化し、取り外しがしやすくなった。キーボードが別売ではなく、標準で付属し、しかも、実用性十分のしっかりとした作りという点こそ、「HUAWEI MateBook E」の強みだ。

別売アクセサリとして、HDMI/VGA/USB Type-A/USB Type-Cポートを備えた専用ドック「MateDock 2」、2048レベルの筆圧感知に対応し、「HUAWEI MateBook E」と組み合わせると、イラスト描きやプレゼンテーションに活用できるスタイラスペン「MatePen」も用意する。

スマホで培った高いモビリティ 割安感のある価格設定も魅力

税別価格は、「HUAWEI MateBook X」は14万4800円から、「HUAWEI MateBook E」はEC専用のm3搭載モデルで9万2800円から、インテルCore i5搭載モデルは13万3800円から。いずれも、オフィスソフト「Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」搭載モデルを用意する。スペックの高さや付属品の充実ぶりを考えると、価格は妥当な水準、むしろ割安といえるだろう。

スマホ並のすばやい反応速度の指紋認証、小型のACアダプタ、メンテナンス機能を集約した独自アプリなど、細かい工夫も光る。世界第3位のスマホメーカーとして、スマホで培ったモビリティ技術の粋を惜しみなくPCに投入し、モバイル時代の新コンセプトPCに進化させたMateBookシリーズの登場で、ますます軽量コンパクトノートに対する注目度が高まりそうだ。

※今回の記事で使用した筐体は試用機で、一部、日本版実機と仕様が異なります。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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