山田昇会長兼CEO

ヤマダ電機は、住宅メーカーのエス・バイ・エルと、「創エネ・省エネ・蓄エネ」という三つのエコを実現する「SMART HOUSING」を全国で展開すると発表した。ヤマダ電機によるエス・バイ・エルのTOB(株式公開買い付け)が10月に終了したことで、本格的に住宅関連事業に参入する。

記者会見では、山田昇会長兼CEOが、「家電市場と比較すると住宅関連の市場は数倍の規模で、非常に魅力を感じる」と述べたうえで、「新しい切り口でビジネスを手がけていく」との考えを示した。

ヤマダ電機のデジタル機器や家電の販売ノウハウと、エス・バイ・エルの住宅販売のノウハウを生かして、太陽光発電や家庭用蓄電池、LED(発光ダイオード)、電気自動車などを設置した家を丸ごと提案。新築とリフォームともに手がける。住宅購入者は、予算に応じて製品を組み合わせて選ぶことができる。

「住宅を取り巻く環境は、大手メーカーが都市部を中心に20%のシェアを確保している。残りの地方部をターゲットにしてビジネスが展開できる」(山田会長兼CEO)という。全国のヤマダ電機店舗で接客対応を行い、毎週配布している3000万部のチラシを使ってアピールしていくほか、ヤマダ電機の会員にもアプローチをかけていく。また、将来はヤマダ電機の店舗敷地内にモデルハウスを設置することも検討している。

グループ全体のスマートハウス関連事業の売上高については、初年度にあたる今年度(2012年3月期)が880億円、5年後の14年度(15年3月期)には3140億円を見込む。会見には、エス・バイ・エルの荒川俊治社長も同席し、「これまで手がけることができなかったスマートハウス、また将来はスマートタウンといった切り口で事業を広げていく」との方針を示した。

ヤマダ電機では、現状の売上規模2兆円を、早期に3兆円規模まで拡大し、家電量販市場でのシェア30%を目標に掲げる。「スマートハウスの取り組みは、目標の売上規模のプラスアルファ」(山田会長兼CEO)としており、家電量販業界の枠組みを超えることで、さらなる売上規模の拡大を目指す。

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