ドラマのタイトルというのは、ハッキリした正解があるわけでもないので、確かに難しい。もちろん、原作モノの場合は、すでに内容が浸透していることも多いので、無理に変える必要はないと思う。ただ、オリジナルの場合は、テレビならではの分かりやすさを考慮しなくてはいけないし、できれば気を引くようなインパクトもあったほうがいい。実際につけるとなれば、それは悩むことだろう。

インパクトと分かりやすさを兼ね備えるために、たとえばサブタイトルをつけるというパターンがある。今期で言えば、『サマーレスキュー~天空の診療所~』がそうだ。標高2500mという具体的な数字を入れたほうがいいんじゃないかとか、いや夏っぽさを出さないと重たいだけのドラマと思われて敬遠されるに違いないとか、そんな話し合いがあったのかもしれないと想像すると、ちょっと面白い。

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過去には、同じ医療モノで『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~』というのもあった。コード・ブルーというのは、患者の容態が急変したことを知らせる隠語で、救命救急センターなどで使われているもの。格好良くてインパクトがあるが、それだけでは分かりづらいので、サブタイトルでドラマの内容を説明することにしたんだと思う。『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』なんてのもあったが、こうなると
サブタイトル自体が分かりづらい(笑)。ただ、これは『ケイゾク』からの流れがある作品なので、どこまで関連性があるのかを想像させるには十分なサブタイトルだった。

外国映画のように、主人公の名前をそのままタイトルにしてしまう方法もある。『3年B組金八先生』などはその代表だが、最近では中居正広が主演した『ATARU』もそうだった。しかもこれは、ドラマ開始当初はチョコザイと呼ばれ、それが最後に猪口在という本名の音読みだったことが明かされるという、ちょっと凝ったものだった。最終回で視聴率40%を超えた『家政婦のミタ』も、主人公をそのまま表したタイトル。「家政婦のミタです」というセリフも多用され、インパクトは抜群だった。もちろんこれは、市原悦子の人気シリーズ『家政婦は見た!』のパロディにもなっている。