さて、そんなこんなで『リッチマン、プアウーマン』のタイトル問題である。最初にこのタイトルを聞いた時は、正直言って“ダサい”と思った。ただ、その時はまだ後ろに（仮）がついていた段階だったので、きっとオンエアまでには正式なタイトルがつくのだろうと思っていた。ところが、結局そのままドラマはスタートしてしまったのだ。時価総額1000憶以上のIT企業社長と、東大理学部の優秀な学生でありながら就職難に悩む女子大生のラブストーリーという内容は早い段階から発表されていた。だから、タイトルに嘘がないのは分かる。でも、あまりにも捻りがないし、単語のチョイスもセンスがあるとは思えなかった。『プリティウーマン』を意識していたとしても、これはないだろうと……。おのずと、放送前の期待感は薄れた。
でも、初回を見ると、最後にヒロインの澤木千尋（石原さとみ）が澤木千尋じゃないという仕掛けが用意されていて、やはり脚本が安達奈緒子だけあってそんなに単純な話でもなさそうだった。いろいろな謎が出てきては、意外とあっさり明かされていくというのもテンポがあってそんなに悪くなかった。結局、第4話までに、澤木千尋の本名は夏井真琴で、真琴は日向徹（小栗旬）の母親である澤木千尋を知っていること、母親を探している日向に過去にも会っていることなどが明かされている。しかも、それを徹に知られた上で、あっさり母親の居場所を徹に教えてしまっている。そうこうしているうちに、徹のビジネスパートナー・朝比奈（井浦新）はどんどん黒くなっていくし、朝比奈の妹・燿子（相武紗季）と徹の過去も少しずつ明らかになっている。もうとにかく盛りだくさんなのだ。話を広げすぎじゃないかとも思うが、先が気になることは確かなので、極端に視聴率が下がらないのも分かる気がする。
一応、ラブストーリーで、なおかつシンデラストーリーであることは明言されているので、結論はハッキリしている。そうなると、やはり単にリッチマンとプアウーマン（poorは貧乏ではなく、不運という意味で使われている模様）の話なのか。それとも、最終的に億万長者になるのは朝比奈で、本当にかわいそうなのは燿子なのか。うーん、どうなんだろう。これで最後にこのタイトルが効いてくるような内容だったら、それはそれで面白いんだけどな。
いずれにしても、着地地点はハッキリしているわりに先が気になるドラマだし、タイトルの是非も確かめたいし、じっくりと最後まで見届けてみよう。
【関連サイト】
『リッチマン、プアウーマン』公式サイト [http://www.fujitv.co.jp/richman-poorwoman/index.html]
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・＜2012年夏ドラマリサーチ＞いちばん注目している主演男優は？ [http://ure.pia.co.jp/articles/-/7241]
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