BCN、タイの洪水被害がデジタル家電の年末商戦に与える影響を分析、HDDやレコーダーは大幅減か

2011.11.11 19:19配信

BCNは、11月10日、「どうなるデジタル家電年末商戦2011 ――タイの洪水やテレビの落ち込みが市場に与えるインパクト」をテーマに記者会見を開催した。全国の大手家電量販店・ネット販売店の実売データを集計した「BCNランキング」データをもとに、タイの大洪水でHDD・プリンタ・カメラメーカーが受けた被害が年末商戦にどのような影響を与えるかを分析した。

●HDDは10月半ばから急騰

外付け/内蔵/ベアドライブで構成するHDDは、外付けHDDが録画対応テレビ向けとして新たな需要を喚起してきたが、7月24日の地上デジタル放送への移行とともに減速。7月は台数ベースで対前年比144.2%だったが、8月は108.4%、9月は105.7%、10月は103.0%に鈍化した。しかし、タイの洪水によってメーカーの部材調達に大きな支障が出ており、年末商戦は前年比で40~55%減少すると分析した。

価格は下落が続いていたが、需給バランスが崩れたことで、10月半ばから急騰。8月1日の週を基点にした税抜き平均単価の値上がり率は、10月31日の週には1TBで108.7%、2TBで115.3%、2.5TB以上で157.6%となった。

デスクトップ/ノート/タブレット端末を合わせたPCは、台数ベースで9月が114.5%、10月が122.7%の二ケタ増で推移。HDDを主要部材として搭載しているため、タイの洪水による年末商戦への影響が懸念されるが、もともとHDDを搭載していないタブレット端末や、HDDの代わりにSDDを搭載したノートPCの需要拡大への期待によって、年末商戦での影響は前年比10%減程度にとどめた。

レコーダーもHDDを搭載している製品がほとんどで、HDDの品薄による影響は大きい。今年8月は、テレビの買い替えと連動して拡大した昨年の反動で、台数べースで前年比89.8%、9月は84.4%、10月は68.5%と前年を大きくした回った。「地デジ化後も需要はまだまだ続く」(道越一郎エグゼクティブアナリスト)と見込んでいるが、年末商戦は、昨年の反動とHDDのひっ迫による供給不足の影響により、前年比50~60%減と分析した。

●プリンタも最大の需要期に品薄

インクジェットプリンタは、無線LAN対応モデルがスマートフォンやタブレット端末ユーザーの需要を喚起し、台数ベースで9月は127.4%、10月は122.1%と好調に推移した。しかし、台数シェア4割前後を占めるキヤノンのタイ工場が大きな被害を受けたことから、需要のピークである年末商戦で品薄によるダメージが予想され、年末商戦は前年比20%減とした。

デジタルカメラは、レンズ一体型(コンパクトタイプ)が、10月に台数ベースで8か月ぶりに前年並みに回復。税抜き平均単価は1万6000円強で下げ止まった。道越エグゼクティブアナリストは、「一部の高級モデルが売れる傾向が出てきているなど、価格の下落幅が狭くなってきていることは間違いない」としながらも、今後の成長に向けて「活路を見出していくことが必要」と訴えた。

レンズ交換型デジタルカメラは、一眼レフが3月以降、台数・金額ともに前年割れが続いている。一方、ミラーレス一眼は、10月に台数ベースで165.1%、金額ベースで152.9%となるなど好調。道腰エグゼクティブアナリストは、「来年は富士フイルムがミラーレス一眼に参入し、プレイヤーが増えることでさらに活性化すると期待している。レンズ交換型はミラーレスがけん引役となって期待できる市場」との見解を示した。ただし、ニコンとソニーは洪水で大きな被害を受け、メーカー別台数シェアを落としている。10月31日の週に、ニコンはが一眼レフで前週比7.0ポイント減、ソニーはミラーレス一眼で前週比3.0ポイント減だった。

●11月の薄型テレビは前年の反動で80~90%減と予想

地デジ化需要で成長してきた薄型テレビは、8月以降前年を大幅に下回り、10月は台数ベースで前年比28.4%となった。11月は、昨年のエコポイント駆け込み特需で過去最高の台数を記録した反動で、前年比80~90%減を予想している。

BCNランキングで収集しているデジタル家電、パソコン関連など、116品目の実売データから、全商品の平均販売単価と販売金額の前年同月比をまとめた「BCN指数」は、10月は金額で前年同月比51.2で、昨年のテレビ特需による反動が顕著だった。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

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