おなじみの「プレイステーションファミリーロゴ」にも実は変化が……

【LOGOS~企業や製品の顔となるロゴの歴史を追う】 家庭用ゲーム機器「プレイステーション」シリーズに、必ずついているPとSのロゴ(プレイステーションファミリーマーク)は、それだけでは何を意味するものかの把握が難しい。そこで、消費者にロゴと製品名をセットで覚えてもらい、ブランドの浸透を促すために生まれたのが、「PlayStation」と書いてある「プレイステーションファミリーロゴ」だ。

「プレイステーションファミリーロゴ」は、PとSのロゴを読めるようにしたものだ。シリーズを通して名前に必ず「プレイステーション」を入れることで、ブランドと製品の認知度向上を狙う。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパン・アジア(SIEJA) ジャパン・アジアデザインセンターの宮副大介クリエイティブディレクター(当時コーポレートデザインセンターブランドマネジメント担当)は「名称やロゴに『プレイステーション』が入っていれば、以前からのユーザーは新製品が登場してもシリーズ製品だとすぐに気がつき、親しみを持ってもらえる」と、シリーズ名称を使う利点を話す。

見比べてみて気がつく変化

「プレイステーション」というシリーズ名称は一貫して同じだが、ロゴは少しだけ変化している。「初代プレイステーション」のロゴは、一見するとファミリーマークとファミリーロゴをセットで使っている。しかしよく見ると、ファミリーロゴのデザインが異なっているのだが、どこが異なっているか、おわかりだろうか?

正解はaの文字。初代のロゴは帽子をかぶったようなaだが、ファミリーロゴはシンプルなaになっている。「初代プレイステーション」のロゴを、初代だけのロゴにするため、ファミリーロゴのaは形の違うaを使っている。

SIEでは他にも、「PlayStation 4」や「PlayStation VR」などの「プレイステーション」シリーズの製品に、製品固有のロゴを使っている。ファミリーロゴはファミリーネーム、固有のロゴはファーストネームといった扱いだ。

また近年では、ロゴのデザインを集約する動きがある。宮副クリエイティブディレクターは「現在のファミリーマークは単色で、ハードウェアのロゴは基本的に略称で描いている。ロゴをシンプルにして、いかなる時でも同じデザインを保てるようにしている」と説明する。新製品ごとに新たなロゴを作るのではなく、構造をシンプルにして再現性を高め、伝統を未来へ継承していくことで、さらなるブランドの浸透を狙う。(BCN・南雲 亮平)

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