1982年製作の『遊星からの物体X』(上)と公開中の『…ファーストコンタクト』

SFホラーの金字塔として知られる作品の前日譚を描いた『遊星からの物体X ファーストコンタクト』が現在公開されているが、オリジナル版を愛する著名人たちも本作を高く評価しているようだ。

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本作は、1951年の『遊星よりの物体X』、1982年の『遊星からの物体X』の“はじまり”を描いた作品。南極大陸で考古学者ケイトと観測隊員たちが、人間の体内に知らぬ間に潜入し細胞に同化する特殊能力をもつ謎の物体と出会い、“仲間が謎の物体に乗っ取られてしまったのではないか?”という恐怖と戦う様を描く。

『遊星…』は2作品とも、映画ファンの間で語り継がれている傑作だ。それだけに“前日譚”にかけられた期待は大きく、同時にその出来をジャッジする眼は厳しくなることが予想されたが、映画評論家のおすぎは「前作、前々作と傑作と呼べるものだった。そのプレッシャーを乗り越えて本作も見事に怖くて、面白い映画になりました。私は本作も傑作と呼びます」とコメント。『魔界都市』『吸血鬼ハンターD』シリーズなどで知られる作家の菊地秀行は「“誰が犯人だ?”のサスペンスが生むSF的緊迫感が素晴らしい。つい前作も観直してしまった」、ゲーム『METAL GEAR SOLID』シリーズを手がける小島秀夫は「愛情を込めて丁寧に『遊星からの』のオープニングへと繋いでいる。『物体X』ファンは観るべきだ」と述べ、イラストレーターのみうらじゅんも「もはや『物体X』は歌舞伎レベルの伝承芸である。顔割れクリーチャーに“ヨッ!待ってました”と、声を掛けたくなった」と賞賛を寄せている。

ちなみに本作を手がけた監督、プロデューサー、脚本家たちも『遊星…』の熱狂的なファンで、オリジナル2作品の魅力を殺すことなく新たな物語を描くことに力を注いだという。そんな作り手のこだわりが、日本の『遊星…』ファンの高い評価を呼び込んだのではないだろうか。

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』
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