映画『アベンジャーズ』に出演したサミュエル・L・ジャクソン

公開中の映画『アベンジャーズ』に出演している俳優サミュエル・L・ジャクソンがこのほど来日し、自身が演じた役や、本作が全世界で圧倒的な成功をおさめている理由について語った。

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本作は、天才発明家のトニー・スターク=アイアンマン、怒りによって巨人に姿を変える科学者ブルース・バナー=ハルク、神々の国を追われたソー、謎の女スパイ、ブラック・ウィドウ、最強の射手ホークアイ、長きに渡る眠りから覚めた超人キャプテン・アメリカが、ひとつのチームに集められ、自らの過去や苦悩と向きあいながら、地球に迫る脅威と壮絶な戦いを繰り広げる姿を描く。

ジャクソンが本作で演じているのは、強大な力をもつ者たちが集まったアベンジャーズを率いる長官ニック・フューリー。彼は劇中でメンバーに指令を出すだけでなく、エゴのぶつかり合いで調和の乱れたチームをまとめ、さらに彼らを統率している委員会からメンバーを守る役割も果たす。「映画の世界全体を把握しながら、それぞれのキャラクターとニック・フューリーの関係をつねに考えながら演技するようにしたよ。メンバーによって何が必要かが違うんだ。スタークは特殊な取り扱いが必要だし、ソーにいたっては別世界の人間だからね(笑)。ニックはメンバーの悩みの渦に巻き込まれることもあるけど、みんなが一致団結できるものを見いだして、“個人でいるよりチームでいる方が強いんだ”ってことをメンバーに感じさせなければならないんだ」。

だからこそ、フューリーには“強大な力”以上の能力が求められる。それは、ジャクソン個人の考え方とも共通する部分があるようだ。「世界は混沌を深めていくけど、私自身は英雄的な存在を求めてはいないんだ。私はヒロイズム(英雄的行為)よりもソリューション(問題の解決方法)こそが重要だと思う。ひとつずつ問題を解決すること、自分が問題の一部にならないことが大事なんだ」。どれだけ大きな力を持っていても、それだけでは問題を解決することはできないし、世界を救うことはできない。本作が描く重要な問題に立ち向かう際、先頭に立つのはやはり、ニック・フューリー=サミュエル・L・ジャクソンが適任なのだろう。

そんなジャクソンの想いを見事に脚本にし、演出したのが本作を手がけたジョス・ウェドン監督だ。「この映画の製作チームは監督の選択に優れていると思う。ジョス・ウェドンはこのジャンルをよく理解しているし、ファンの気持ちが誰よりわかってるんだ。私もファンだからね(笑)。彼はアドベンチャーやアクションだけじゃなく、このジャンルに必要な“ユーモア”をちゃんと理解して、映画を製作した初めての監督だと思うよ」。

自身を「あれこれとマルチに活動するのではなく、自分でゴールを決めて、ひとつのことをひとすじにやり遂げたいタイプ」と分析するジャクソンは、自身のキャリアの中で最も長い期間、ひとつの役=ニック・フューリーと向き合った。「私はヒーローを演じたいとはまったく思わなかったな」と断言するジャクソンが、本作でどんな活躍を見せるのか、スクリーンで目撃してほしい。
『アベンジャーズ』
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