『最強のふたり』に出演しているオマール・シー(写真手前)

9月1日(土)から公開される映画『最強のふたり』に出演しているフランス人俳優オマール・シーが本作の出演を機に大きな注目を集めている。本国で好感度ランキングで3位に入る人気者のシーは、いかにして“注目の若手俳優”になったのだろうか?

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『最強のふたり』は、車椅子で生活をおくる大富豪フィリップと、彼を介護する黒人青年ドリス(シー)が出会い、ときに衝突しながら深い友情を育んでいく様を実話に基づいて描いた物語。本国フランスでは2011年興行収入1位を記録し、アメリカ、カナダでも本年度の外国語映画の興収記録をぬりかえるなど各国で話題を集めている。

シーは1978年生まれのフランス人。コメディアンとして活躍しフランスでは大人気を集める人物だ。しかし、彼は俳優としても活躍し、本作を手がけたエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督が2002年に手がけた短編映画に出演して以降、両監督作に3作続けて出演。本作も、大富豪フィリップ役よりも先に、シーが大富豪の相棒ドリスを演じることが決まったという。そこで彼は実在の人物をモデルにドリス役を演じるために頭の毛を刈り、役作りのために10キロの減量をして役作りに取り組んだ。さらに本作は全編に渡って、軽快な会話とユーモアあふれる描写が散りばめられており、コメディアンとしての側面をもつシーが映画の完成度に大きく貢献した。その成果は高く評価され、フランス版アカデミー賞と言われる第37回セザール賞では、『アーティスト』のジャン・デュジャルダンを押さえて主演男優賞を獲得。フランスの映画賞であるリュミエール賞でも主演男優賞を受賞している。

本作の成功でさらに評価をあげたシーはミシェル・ゴンドリー監督作の出演を皮切りに、多くの出演作が決定しているそうで、フランスでは、彼が活動の場を広げるために渡米したというニュースが大きく取り上げられるなど、俳優オマール・シーの今後の動向に大きな注目が集まっている。

『最強のふたり』
9月1日(土)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー