原作者の真島ヒロ氏

『週刊少年マガジン』の看板作品にしてTVアニメも放送3年を数える、大人気バトル×ファンタジー「FAIRY TAIL」初の映画化作品『劇場版 FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-』。制作段階より全面的に関わった原作者の真島ヒロ氏が「ファンの想いに応えたかった」と参加理由を明かすとともに、「今までにない『FAIRY TAIL』になりました!」と待望の劇場版に自信を示した。

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ファンの熱烈なリクエストを受けて映画化に至った今作。ストーリー原案を始め、ビジュアルデザイン、キャラクター原案、イメージコンセプトまで手がけた真島氏は、毎週の連載と並行しながらの膨大な作業に身を投じた理由を、「すべては原作ファンの期待に応えるためでした」と感謝の気持ちによるものと説明した。細かいセリフやシーンごとのアイデアについても藤森雅也監督と幾度もディスカッションを重ね、ナツやルーシィなどおなじみのメンバーたちが、謎を秘めた少女エクレアと彼女が持っていた“鳳凰石”にまつわる秘密に迫る壮大な世界観を創り上げた。「映画制作の根幹に関わることができて、原作ファンの期待に応えることが出来たと自分でも思います」と自信をもって完成作をおくり出す。

特に劇場版は「原作コミックにはない構図や、TVアニメとは違う表現があります」という新たな試みがポイントだという。まず熱い友情劇や激しいバトルに加え、今回はルーシィとエクレアが織り成す成長劇が真島氏にとって初の“構図”だった。「ゲストキャラのエクレアとルーシィの関係が先にあって、横で見ているナツがいる。原作コミックで描いたことがない構図だったので挑戦でした」。次に、完成した映画を観た真島氏自身も賞賛する“表現”が、TVアニメとは異なる魔法の描写だった。「アニメでは分かりやすくするために魔法陣が表れて魔法が飛び出す記号的な表現をしていますが、今回のナツは自然に炎を出しています(笑)。魔法が日常にあふれているという原作の設定に近い表現で、感動しました」。

「ラストバトルも熱くてカッコよくて(笑)。漫画だけでは気づかない表現が多かったので、映画を観てビックリしました」とひとりのファンとしても衝撃を受けたことを明かす真島氏。ファンの期待に応えながらも、劇場版という初めてのフィールドで新しいサプライズを仕掛けたことも「今までにない『FAIRY TAIL』になりました」と仕上がりに満足しているという。「サプライズ、大好きです(笑)。それに今回のようなテイストのエンディングは原作にもないので、劇場版ならではの『FAIRY TAIL』に期待してください。シリーズを知らなかった人もこれを機会に『FAIRY TAIL』の世界を知っていただければ幸せですね」。

『劇場版 FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-』

取材・文・写真:鴇田 崇