「ひげガール」の“おネエさま”たち

新宿歌舞伎町のオカマバー「ひげガール」の“おネエさま”たち4人が、最強の闇金が主人公の『闇金ウシジマくん』を緊急鑑賞! カネと欲望渦巻く夜の世界で営業中の“彼女”たちが、世界観や登場キャラのリアル感を証言するとともに、世の中を脱線した身として「この映画を観れば、人生大切にしなきゃって誰だって思う」と教訓になることを諭した。

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情け容赦ない闇金業者・丑嶋(ウシジマ)を主人公に、カネや欲望に踊らされる人間の悲哀と本質をリアルに描く本作。鑑賞したイオナズン子さん、善光寺ガチャ子さん、末摘しこめさん、ひのでさんの4人は、口を揃えて「全登場人物、マジでいるわ」と劇中リアル度にまずは感心! 「出会いカフェにハマる未來(大島優子)みたいにボンボンお金出して貢ぐ、借金まみれの知り合いがたくさんいます!」(ひので)、「その優子を出会いカフェに誘う冬美もリアルね。家に居場所がなくて、友だち経由で出会いに手を出して、性病、妊娠した子もいる。イマドキの典型的な子」(ズン子)と身近な実例を次々に激白! 「本当によく取材しているわよ」(しこめ)と世界観と登場キャラのリアル感に太鼓判を押した。

闇金“あるある”で盛り上がった4人は、常連客にもいるという闇金サイドのディープな話題にシフト! 「リアルにウシジマくんみたいな知人もいた」というしこめさん情報によれば、「最近の闇金には肉蝮(新井浩文)みたいなヤバイ奴もいる!」そうで、聞いていた3人も激しく同意! 劇中のウシジマVS.肉蝮のバトルシーンにはガチでビビッたらしく、「リアルに肉蝮が現れたらどうしよう!」(ひので)「そりゃ警察呼ぶわよ」(ガチャ子)「実家まで行かれたら殺すか殺されるかよね」(ズン子)と闇金のお世話になったことはないものの、超絶リアルな世界観に見入ってしまったご様子。「安易に闇金に手を出しちゃいけないわね」(しこめ)と本作のエグい世界を観て、財布とフンドシの紐を締め直していた。

カネと欲望渦巻く夜の世界で生息中の“おネエさま”たちに、本作の鑑賞アドバイスをお願いすると、「脱線したアタシたちが?」(ズン子)と謙遜しながらも、「おカネは借りてもいいけれど、自分のケツは自分で拭きなさい」(ズン子)、「おカネより人生のほうがもっと大切ということは伝えたいです」(ひので)というありがたいお言葉が。「この映画を観れば人生を大切にしなきゃ! って、誰だって思うわよね」(しこめ)と人生の教訓ムービーとして効果的な一作であることを強調してくれたひげガールズ。映画『闇金ウシジマくん』で描く世界が日常と地続きになっていることを、頭の片隅に置いて映画館で鑑賞したい!

『闇金ウシジマくん』

取材・文・写真:鴇田 崇