映画『許されざる者』に主演する渡辺謙と、クリント・イーストウッド監督のオリジナル版

1992年に製作され、米アカデミー賞4部門に輝いたクリント・イーストウッド主演・監督作『許されざる者』が、日本映画として新たに製作され、渡辺謙が主演を、『悪人』の李相日が監督を務めることが発表された。

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巨匠イーストウッド監督の名作を、『硫黄島からの手紙』でイーストウッド監督とタッグを組んだ渡辺謙主演でリメイクする巨大プロジェクトがスタートする。物語の骨格はそのままに、舞台を19世紀の北海道に変更し、かつては江戸幕府の残党として京都中にその名を轟かせるも、二度と刀を持たないと誓った男・釜田十兵衛(渡辺)が辿る数奇な運命と、暴力の連鎖を描き出す。オリジナルでイーストウッドが演じた役を渡辺が、モーガン・フリーマンの役を柄本明が、ジーン・ハックマンの役を佐藤浩市が演じる。

渡辺は本プロジェクトについて「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメイクするのは、大きな挑戦になります。李監督と共に北海道の大地と格闘しながら、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたいと思っています」と語り、李監督は「西部劇の傑作と言われるオリジナル作品。そしてなによりも、尊敬してやまないクリント・イーストウッドという類まれな映画人に立ち向かえる機会を得られたことに、興奮と喜びはもちろん、怖れすら抱かざるえません。この作品の根底に流れるテーマは、未だ暴力の連鎖を断ち切れない現代の我々に深く突き刺さります。自分は正しいと疑いなく胸を張る人間よりも、迷いや贖罪を抱え、正しくありたいと葛藤する人間に寄り添えるもの……、そんな映画を目指していければ、と考えています」と意気込みを語っている。

本企画は2011年5月に立ち上がり、同年11月にはイーストウッド監督のOKも出たことから、脚本執筆が開始された。イーストウッド監督は本企画について「『硫黄島からの手紙』で濃密な仕事をした私の良き友人である渡辺謙氏と李相日監督が、この度、日本の『許されざる者』制作にあたり、タッグを組むと聞いて大変光栄に思います」と述べている。

撮影は9月中旬より11月下旬まで全編北海道ロケで行われ、来年秋にワーナー・ブラザース映画の配給で全国公開される。

『許されざる者』

『許されざる者〈1992年〉』
ブルーレイ 2500円(税込)
DVD 1500円(税込)
ワーナー・ホーム・ビデオ