左から、河原雅彦、北村昭博

オランダ発のカルトホラー『ムカデ人間』の続編『ムカデ人間2』が7月14日の封切り以降、連日盛況の大ヒットを記録し、東京・新宿武蔵野館のレイトショーでの歴代興行収入記録を塗り替えたことが劇場関係者への取材で明らかになった。

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3人の男女を拉致し口と肛門とをつなぎ合わせ“ムカデ人間”を作ろうとする医師の狂気を描く前作に触発された中年男性が、今度は12人を拉致し新たな“ムカデ人間”を生み出そうとする。新宿武蔵野館では12人一緒に手をつなぎながら来場すると、入場料金が1人800円になる割引キャンペーンを行っており、現在までに3組36人が利用。また、Tシャツ、ステッカー、トイレットペーパーといった特製グッズも「バカ売れしています」(配給会社)と“ムカデ旋風”は収まる気配がない。

そんな中、8月18日には前作に唯一の日本人キャストとして“ムカデ人間”1号を怪演した北村昭博と、本シリーズのファンを公言する演出家の河原雅彦がトークショーを行い、「前作を撮っている時は『この監督(トム・シックス監督)、いい人だな』と思ったけれど、これを見ちゃうと距離を置いたほうがいいかなと。もう一生観ません」(北村)、「劇場で観るとさらにハンパない。この手のホラーは大好きだけど、途中で笑えなくなった。作り手の怨念を感じるね」(河原)と作品の魅力を語り合った。

北村によると、すでにシックス監督は第3弾の撮影をアメリカで行う予定だといい、現在オーディションを敢行中。3人、12人と増え続けた犠牲者は500人になる模様で「僕の出演? まだ分かりません。ただ、このパート2を観ちゃうと躊躇してしまう」(北村)。ちなみに『ムカデ人間2』には、北村の前作出演シーンが挿入されているが「ギャラは発生していない。僕自身『ムカデ人間』で注目された部分も大きいし、恩があるので、お金については強く言えないです。本当に感謝していますし」と男気を見せた。

『ムカデ人間2』

取材・文・写真:内田 涼